二ブラとはパンチングによって金属切断を行う工具の総称です。
他の金属切断工具と異なり板金の切断にしか使えませんが、切断が速く、窓開けにも対応する板金切断に特化した工具です
- 鉄を切る道具(1):幅広い用途に使える【ディスクグラインダー】
- 鉄を切る道具(2):鉄パイプやアングル材を切断するならこれ【高速切断機】
- 鉄を切る道具(3):切断速度が速く面も焼けない【チップソーカッター】
- 鉄を切る道具(4):パイプ切断や解体作業に最適【セーバーソー】
- 鉄を切る道具(5):切断音も切りくずも少ない【バンドソー】
- 鉄を切る道具(6):板金加工や窓抜きに!【ニブラ】
- 鉄を切る道具(7):板金切断の専用工具!【シャー】
- 鉄を切る道具(8):寸切ボルト専用カッター!【全ネジカッター】
目次
ニブラとは「パンチングで板金を切断する工具」
二ブラとは、打ち抜きで板金切断を行う工具の総称です。あまり聞きなれない工具ですが、トタンや筐体・ケースの板金加工などにはとても便利な工具です。
二ブラでの加工を二ブリングと言います。切断するイメージとしては紙にファイル穴を開ける穴あけパンチをイメージします。パンチで紙に穴を開けて少しずらして再びパンチ穴を空けるのを繰り返すと穴が大きくなって切断できます。
二ブリングによる切断はとても早く、切断の自由度が高くて曲線形状や窓抜き形状の切り抜きも可能です。また、切断時の切りくずが大きいため作業後の清掃もしやすいという特徴があります。
ただし、ニブリングは薄い板状の金属である板金でしか使用できないので、用途が限定される工具です。
板金ケースの加工や、トタンの切断など
二ブラによる切断は板金にしか対応していませんが、円形切断や窓抜き、波形の板金など板金であれば幅広い形状に対応します。
具体的な仕様例では、金属ケースの窓抜き加工や、トタン屋根の切断などに使用します。
二ブラでの切断は他の切断工具に比べ切断時間が短く、音も静かなので、素早く効率的に切断したい場合に使用します。
ニブラのおすすめ製品
ニブラにもさまざまな種類があり、エアや手動のニブラなどモーター以外のニブラも販売されています。
どのニブラも、切断原理はニブリングなので基本的な使い方は変わりません。電源環境や用途に応じて最適な製品を選ぶのがおすすめです。
AC100Vニブラ 「マキタ JN1601」
様々な場所で使用されているのが、AC電源のニブラです。
ニブラは見た目よりも消費電力が高く、モーター出力は550Wと高出力です。そのため、大きい板金の大まかな切断作業などにはAC電源のニブラが使われます。
板金はAC電源のコードを傷つけやすいので、取り回しには注意が必要です。
充電式(コードレス)ニブラ
取り回しに優れているのが、バッテリーで動作する充電式(コードレス)ニブラです。
AC電源のニブラと同じ切断能力を持ち、コードが無くなったことによって取り回しや安全性も高まり、屋外でも使いやすい製品です。
1充電当たりの切断長さは約20mほどと短いので、連続作業時には注意が必要です。
エアー二ブラ「パオック AMN-15PA」
圧縮空気を使ってエアモーターで動作するのがエアニブラです。
エアモーターのニブラを使用する最大のメリットは連続稼働時間に制限がない点です。
エアモーター場合、熱損失による発熱がなく、供給される圧縮エアによる内部冷却も行われるので、モーターの連続稼働時間の限界の目安である30分以上の連続切断が可能です。
圧縮エアのためにコンプレッサーが必要なため、一般的には工場設備などで使用されます。
ハンド二ブラ「エンジニア TZ-20」
モーターを搭載せず手で切断する二ブラをハンド二ブラと言います。
ハンド二ブラの場合はパンチングというより食い破るように切断します。モータの二ブラより刃が角ばっているため、切断跡が直角になるのが特徴です。
ハンド二ブラは「打ち抜く」のではなく「食い破る」ように切断するため、切断面や相手材料が少しだけ傷ついたり歪む欠点があるので注意が必要です
ニブラまとめ
適切な材料 | 金属全般 |
適切な形状 | 板金・パイプ(薄物のみ) |
適さない形状 | 厚手の材料 |
利点 | 安全・火花がでない・精度が高い・切断が速い |
欠点 | 板金のみ対応 |