京セラ インダストリアルツールズ
企業名 | 京セラ インダストリアルツールズ株式会社 |
本社所在地 | 広島県福山市 |
設立 | 2018年1月10日 |
売上収益 | 非開示 |
資本金 | 1億円 |
時価総額 | 非上場 |
事業 | 電動工具の製造、開発、販売 |
従業員数 | 149名 |
親会社 | 京セラ株式会社 |
企業戦略 | 家庭向け園芸機器・OEM開発連携 |
京セラ/RYOBIの製品指向性
プロ向け電動工具 | DIY向け電動工具 | ||
プロ向け園芸機器 | 家庭向け園芸機器 | ||
空気工具 | 清掃機器 | ||
アウトドア製品 | 家電製品 |
京セラインダストリアルツールズはリョービ株式会社の電動工具事業売却1によって2018年に誕生した京セラ資本のメーカーです。
現在はプロ向け電動工具が「京セラ」ブランド、家庭向け・ガーデン機器では「RYOBI」ブランドの2ブランド展開を行っています。
ちなみに、欧米地域にも黄緑色のRYOBIブランドが存在しますが、そちらは2000年にリョービ株式会社が当時の海外工具事業をTTIに売却したブランドであり2、現在の京セラRYOBIとTTI RYOBIに関係性はありません。
京セラブランドはある程度の充電式製品のラインナップは揃えているものの、マキタHiKOKIなどの競業メーカーのシェアに対しては苦戦が続いている状態です。一方、家庭向けガーデン機器や清掃機器に関しては、ホームセンターを中心に販路拡大が続いており、低価格製品を中心に一般家庭に浸透している点も含め、少しずつではありますが存在感を強めています。
家庭向けを中心にRYOBIブランドは拡販中
かつてのRYOBIブランド製品は取扱店が少なく、販売している製品数も多くはありませんでしたが、京セラ傘下になってからRYOBIの低価格ガーデン機器シリーズのホームセンターの販売店数が増えています。
現在のRYOBIブランドは家庭向け機器でシェアを急速に伸ばしており、ホームセンターをはじめ家電量販店などでも取り扱いも増え、少しずつ新規ユーザー層を増やしシェアを拡大しています。
ビックカメラやヨドバシカメラのような専門店・家電量販店にRYOBI製品が並ぶ光景が見られ、京セラ傘下になったことによる良い影響を垣間見ることができます。
ガーデン機器シリーズのバッテリーシリーズは、京セラのプロ向け電動工具シリーズとも共用できるので、京セラユーザーの方であれば現場の屋外清掃などにも活用できます。
実はその電動工具は京セラ製かも、OEM展開も積極的
最近はホームセンター主導のプライベートブランド電動工具も増えてきていますが、京セラはこれらプライべートブランド電動工具の開発にも参入しています。
例えばカインズグループのプライベートブランド電動工具やファン付きジャケットのBURTLE AIR CRAFTのバッテリー開発にも参画しており、ユーザーの見えないところでRYOBI製品の浸透が進んでいます
今後の動向が読み難いダークホース
親会社の京セラは2017年に空圧工具メーカーの米SENCO Holdings, Inc.を買収しており、京セラはグループ内に電動工具・園芸機器・空気工具を持つ世界市場でも十分に戦えるブランドを持つメーカーです。
今のところ、京セラインダストリアルツールズとSENCOの積極的な提携や世界展開戦略に関する具体的な報道はありませんが、創始者の稲森和夫氏が掲げるアメーバ経営を主体としている京セラであれば、空圧・電動工具関連業のシナジー最大化を目的とした何らかのアクションに移る可能性もあります。
筆者はそのポテンシャルの高さから、今後どのように動くか予想できない電動工具業界のダークホースと評価しています。
もともと京セラは日立工機売却の際にも応札した経歴があり3、電動工具事業には本腰を入れて参入しているものと評価しています。既に着々とシェア拡大の戦略を進めている状態にあるのかもしれません。