剥離･曲げ･溶着･収縮など幅広い作業ができる熱処理加工機

ヒートガンとは、ヒーターと送風機を合わせて熱風を吹き出す工具です。メーカーで呼び方も異なり、ホットガン、熱風機、熱風加工機、工業用ドライヤー、プラジェットの名称で呼ばれています。

ヒートガンは、少ない風量で高い温度の熱風を吹き出す工具です。ドライヤーでは対応できない熱収縮チューブの収縮やシール剥がし作業に使用します。

ドライヤーと比較すると、一般的なドライヤーが吹き出し口温度が100～120℃・風量1600/min3で低温大風量。一方のヒートガンは吹き出し口温度が400～500℃・風量500/min3と高温低風量なので、ドライヤーの代わりに使うと火傷するため人体に向けてはいけません。

ヒートガンで出来ること

画像参考：高儀 EARTH MAN ヒートガン HG-1450A｜Amazon

ヒートガンの選び方・カタログスペックの見方

温度

ヒートガンの最高温度は400℃～500℃です。温度調節機能を搭載する製品では50～550℃の範囲で調節できるヒートガンもあります。

吹き出し口と相手材料との距離を調節して焼けないようにする使い方が一般的ですが、樹脂材へのシール剥がしや距離を離せない作業、樹脂パイプの曲げ作業などでは温度調整機能が必要になります。

• 樹脂パイプ曲げ：60～80℃
• 熱収縮チューブ：100℃
• シュリンクフィルム：150℃
• 塩ビの溶接：260～280℃
• ハンダ融点：350℃

風量･風速

風速・風量が高いほど広い範囲に熱風を加えられます。短時間で素早く熱を加えたい太径の熱収縮や大きいシュリンクで効率的に作業をできます。

電源コード式のヒートガンは500L/min前後でバッテリー式のヒートガンは200L/minの製品が一般的です。

対応ノズル

ヒートガンは、作業応じてノズルの形状を変えれば効率的に作業を行えます。一般的にはヒートガンを販売している純正ノズルしか対応しないので、購入する前に付属するノズルや別売りノズルの種類を確認するのがおすすめです。

消費電力

消費電力が高いほど風量・風速が高く効率的に作業を行えます。ただし、消費電力が1,000～1,500Wと非常に高いので、接続するコンセントの容量を超えないよう配慮します。特に、海外ブランドのヒートガンは1,800Wの高出力品も販売されているため注意が必要です。

産業用ヒートガンでは、AC200Vに対応する3,000Wのヒートガンも販売されています。

アタッチメントを変えれば多彩な熱処理加工に対応

おすすめ製品

マキタ ヒートガンHG6031VK 幅広く使える定番モデル

本体サイズ	257×206×85mm	本体重量	670g
コード長	-m	消費電力	1,200W
熱風温度	スイッチ1：50～350℃ スイッチ2：80～550℃	風速	-m/min
風量	スイッチ1：200L/min スイッチ2：400L/min	付属アタッチノズル	平面ノズル (A-67212) 曲面ノズル (A-67228) 丸ノズル (A-67234) ガラス保護ノズル (A-67206)

石崎電機製作所 プラジェット 工業･産業向けの定番モデル

本体サイズ	φ70×213×191mm	本体重量	750g
コード長	-m	消費電力	1,000W
熱風温度	約450℃	風速	1,000m/min
風量	0.18㎥/min	付属アタッチメント	スプーンノズル（AT-11） 熱風集中ノズル（AT-21） 平型ノズル（AT-31）

EARTH MAN ヒートガン HG-1450A 低価格モデル

本体サイズ	245×80×195mm	本体重量	約0.6kg
コード長	2.0m	消費電力	1,450W
熱風温度	弱風：約300℃ 強風：約500℃	風速	700m/min
風量	-㎥/min	付属アタッチメント	ワイドノズル スポットノズル フックノズル ヘラ型ノズル

RELIFE ヒートガン RHG-1500 低価格温調対応モデル

本体サイズ	275×80×190mm	本体重量	700g
コード長	1.8m	消費電力	1,500W
熱風温度	60～550℃	風速	-m/min
風量	-L/min	付属アタッチメント	スポットノズル ワイドノズル フックノズル ヘラ型ノズル

京セラ DHGA180 バッテリー式のプロ向けモデル

本体サイズ	165×79×257mm	本体重量	1.2kg
バッテリー	18V	消費電力	-W
熱風温度	約500℃	風速	-m/min
風量	200ℓ/min	付属アタッチメント	熱風集中ノズル 平型ノズル パイプ曲げノズル