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2024年7月7日

手持ち型ブロワとは?【工具の特徴・選び方解説】

手持ち型ブロワとは?【工具の特徴・選び方解説】

手持ち型ブロワとは清掃に使う電動工具

ブロワとは、モーターとファンで空気を吸い込んで先端ノズルから風を送り込む送風機の総称です。

手持ち型のブロワは現場作業向けに使われる可搬式の送風機で、使い勝手に優れた小さなボディに強力な送風機能を備えているのが特徴です。

主に、工具や現場の簡易清掃やコンクリートへあと施工アンカーを打つ時の清掃作業などに用いられ、一部の現場作業では必須の工具として使用します。

コンクリートへのアンカー作業では、清掃が不十分だとアンカーの引抜強度が低下する場合もあるため、穴あけで発生する粉じんの除去が推奨されている。
画像引用:HiKOKI 充電式ブロワ RB36DB , 引用:あと施工アンカー技術講習テキスト2021年版

一部のモデルは吸い込み機能も搭載

一部の手持ちブロワは、吸引部分にノズル装着し送風部分にダストバッグの装着によって吸込みにも対応できます。

この吸込み機能は簡易的なもので、集じん機の完全な代用品となるものではありません。一般的な集じん機と異なりフィルターの前にファンがあるため、大きなゴミや大量のゴミを吸い込むことはできませんが、現場清掃や丸ノコに接続して簡易的な集じん装置にするような使い方なら問題ありません。

ただし、集じん機として使用した直後には、ファンに付着したゴミや異臭をまき散らしてしまう場合もあるので注意しましょう。

アウトドア用途でも高い需要

最近のアウトドアブームに伴い、キャンプやバーベキューなどでブロワを使うユーザーも増えています。

ブロワはアウトドアのシーンでも、撤収時の清掃・火おこしの補助・水滴の付着したギアの水飛ばしなど多彩なシーンで活躍します。

アウトドアなどの屋外で使用する時は電源が取れない場所も多いので、リチウムイオンバッテリーを搭載する充電式のブロワが人気です。

火おこしにも便利なブロワですが、注意して使わないとノズル先端が変形してしまったり、周囲の人や物に火花や熱風を広げてトラブルの原因になる場合もあるので注意が必要です。

また、ブロワによる火おこしは炭片や火花を地面にまき散らします。土壌には熱によって発芽するキノコ菌がいる場合もあり、周囲の針葉樹が「つちくらげ病」を発症して枯れて場合もあるので、周囲に配慮して使いましょう。

手持ち型ブロワ製品ピックアップ

  • 特徴

    利点

    欠点

    風速

    風量

    電源

    寸法

    重量

  • RB36DB

    マルチボルト36Vのコンパクトモデル

    製品の特徴

    充電式ブロワの中でもトップクラスの取り回しの良さ。現場作業からアウトドアまで幅広い用途に対応。

    利点

    コンパクトボディなので持ち運びなども容易。低騒音・低振動なのもメリット。

    欠点

    細かい清掃作業には十分だが、風量が少なく、広い範囲の清掃は苦手。吸込作業は非対応

    風速

    83m/s

    風量

    1.2m3/min

    対応電源

    マルチボルト36V

    寸法

    320×224×96mm

    重量

    1.4kg

  • FRB40VA

    AC100Vで動作する家庭向けブロワ

    製品の特徴

    家庭向け製品ながら仕様はプロ向けクラスと同等。AC電源ブロワの高いパワーが特徴。

    利点

    風量が大きく吹き飛ばし性能に優れる

    欠点

    中身がプロ向け品と同等なので高性能だが、家庭向けとしては割高。

    風速

    風量

    3.8m3/min

    対応電源

    AC100V

    寸法

    長さ447mm

    重量

    1.7kg

  • UB185D

    マキタ18Vシリーズの充電式ブロワ

    製品の特徴

    変速ダイヤル+変速トリガを備え、風量を細かく調整できる充電式ブロワ

    利点

    アタッチメントが豊富でワイパーノズルやガーデンノズルにも対応。充電器・電池セット販売仕様あり

    欠点

    オンロックボタンが無いので連続作業には不向き

    風速

    98m/s

    風量

    3.2m3/min

    対応電源

    マキタ18V

    寸法

    517×156×210mm

    重量

    1.8kg

  • BL3500

    AC100V動作の家庭向け低価格ブロワ

    製品の特徴

    家庭向けの低価格ブロワ。風量・風速はプロ向けモデルに引けを取らない高パフォーマンスモデル。

    利点

    販売価格が安くコストパフォーマンスに優れている。ダストバッグ・ホース付属仕様もあり

    欠点

    変速機能を搭載していないので風量調整は非対応。

    風速

    92.2m/s

    風量

    2.5m3/min

    対応電源

    AC100V

    寸法

    447×167×198mm

    重量

    1.7kg

  • RB18DC

    HiKOKIバッテリーの18Vで動作する充電式ブロワ

    製品の特徴

    14.4V/18Vバッテリーで動作する充電式ブロワ。変速・オンロックボタン・吸込等の多機能を備える。

    利点

    オンロックボタンを備えているので、連続吹き飛ばし作業が楽。

    欠点

    対応アタッチメントが少ない

    風量

    95m/s

    風速

    3.5m3/min

    対応電源

    HiKOKI 18V/14.4V

    寸法

    490×207×150mm

    重量

    1.8kg

手持ち型ブロワの選び方・カタログスペックの見方

手持ち型のブロワを選ぶときには、下記の4項目に注目します。ここではそれぞれの項目について解説します。

  • 風速
  • 風量
  • 動作電源
  • ノズルアクセサリ

風速

風速が大きいほど強力な風を送り出します。比重の重いゴミを吹き飛ばす場合にはこの数値が重要です。

風量

風量が大きいほど1度に多くの風を送り出せます。広い範囲を清掃したり大きく重いものを吹き飛ばしたりする場合には風量も大きくないと効率よく吹き飛ばせません。一般的に手持ち型ブロワを現場の清掃用途で使うのであれば、2.0m3/min前後の性能があれば困りません。

動作電源

ブロワは消費電力が大きい電動工具なので、比較的容量の大きい電源が必要です。パワーや連続作業時間が必要であればAC電源のブロワが一般的に使われますが、最近は大容量バッテリーを搭載し、電動工具と共通で使用できる充電式ブロワも人気です。

ノズルアクセサリ

ブロワは先端ノズルを付け替えることで吹き飛ばし作業以外にも対応できます。あとアンカー施工やガラス面の清掃などに使うノズルアクセアリなど独特のノズルを別売しているメーカーなどもあります。

画像引用:マキタワイパーノズルA-71211マキタブラシノズル A-71205

手持ち型ブロワのよくある質問

Q.電源コード式と充電式ではどちらがおすすめですか?
A.ブロワはモーター出力が数100Wと大きく、広い範囲や長時間の送風には大量の電力を必要とします。充電式ブロワは取り回しに優れているのが利点ですが、バッテリー満充電時でもフル動作で10分~20分しか動作しないため、用途や作業を確認して1充電の作業量で問題ないか検討しましょう。

Q.風速と風量の違いはなんですか?
A.風速とは1秒間に移動する空気の距離を表し、風量とはノズルの先から噴き出す1秒間あたりの空気の量を表します。同じ風速のブロワでも、風量が大きい方がより大きく重いものを吹き飛ばすのに適しています。一般的にノズル口を小さくすると風速が上がり、風量が小さくなります。

Q.園芸用ブロワとの違いはなんですか?
A.園芸用のブロワは落ち葉や刈り取った草を吹き飛ばすために風量を重視した仕様になっています。広い範囲を効率的に清掃するため、最大風量10m3/min以上のブロワが使われ、本体サイズも手持ち型より大型になっています。

Q.吸込みで使う時に注意点はありますか
A.ブロワの吸込み動作の場合、ファンを経由してダストバッグに押し出す構造になっているためファンとゴミ接します。粘着性の粉じんやゴミを集じんするとファンに付着して故障原因になるため使用を避けましょう。一般的な集じん機・クリーナーはファンの前段にフィルタがあるため、ファンとゴミが接することはありません。

Q.ノズルに各社互換性はありますか
A.ブロワのノズル形状は各社異なるため、相互装着はできません。同じメーカーでも世代が異なると装着できない製品もあるためカタログや取扱説明書を確認しましょう。

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