VOLTECHNO(ボルテクノ)

ガジェットとモノづくりのニッチな情報を伝えるメディア

USB Type-CのDRP(Dual-Role-Power)とは?給電方向が入れ替わるUSBの仕組みを解説【解説USB PD】

DRPの入出力動作を確認できる製品例

DRPは、モバイルバッテリーに搭載する製品に向けた機能にも思ってしまいますが、実は身近な製品にも多く使われています。例えばノートPC、携帯ゲーム機のような製品にもDRPは使われています。

製品例Sinkとしての動作Sourceとしての動作
iPhone 15以降USB-C充電器やPCから充電小型USB PD機器へ最大4.5Wで給電
USB-C搭載iPadUSB-C充電器やPCから充電iPhone、Apple Watch、別のiPadなどへ給電
USB-C搭載対応ノートPC充電器、ドックから受電周辺機器へ5V・最大3Aを供給
モバイルバッテリーUSB Type-Cから本体に充電USB Type-Cから給電
電動工具USBアダプタUSB-C充電器から電動工具バッテリーを充電電動工具バッテリーからUSB Type-Cで給電

Appleは、iPhone 15以降のUSB-CポートからAirPods、Apple Watch、そのほかの小型USB PD対応機器に最大4.5Wで給電できると案内しています。普段はUSB-C充電器から電力を受け取るiPhoneですが、Sinkの機器を繋げると給電動作になります。

モバイルバッテリーでは、仕様欄の同じUSB-Cポートに「入力」と「出力」の両方が書かれている製品がDRPに該当します。例えばAnker Prime Power Bank(9600mAh, 65W, Fusion)A1339は、USB-C1/C2から本体を充電でき、同じUSB-C1/C2から接続機器へ給電できます。

ただし、ここに挙げたのは一例であり、対応電圧、最大出力、優先する電力方向、PR_Swap(後述)への対応などは同じではありません。「SourceとSinkの両方になれる」ことと、「どの相手とも想定通りに高出力で双方向給電できる」ことは別なので注意が必要です。

DRPとUSB PDのPower Role Swapはまた別の仕組み

DRPの説明で混同しやすいのが、USB PDのPower Role Swap(PR_Swap)です。どちらも給電方向に関係しますが、使われるタイミングが異なります。

DRPは、主にケーブルを接続してSourceとSinkを最初に決める段階で使われます。一方のPR_Swapは、USB PDによる接続が成立した後に再度SourceとSinkを入れ替えるための動作です。

例えば、バッテリーで動作しているノートPCがUSB-Cドックへ給電している状態で、ドックにACアダプタを接続したとします。PR_Swapに対応する設計であれば、USB PDのドック側をSource、ノートPC側をSinkへ切り替え、ノートPCへの電気の流れを動作中に動的に変化することができます。

機能としてはDRPに近い動作ですが、使われるタイミングや規格的な名称としては異なるため、機能を説明する場合にはDRPとPR_Swapの区別に注意しましょう。

なぜ期待とは逆の方向に充放電が始まってしまうのか

Return Top