
USB Type-Cで給電側と受電側を切り替えるDRP
USB Type-Cケーブルでスマートフォンとモバイルバッテリーを接続したのに、なぜかスマートフォンからモバイルバッテリーへ給電されてしまった、のような「充電方向が逆になる」現象を経験したことがある方もいると思います。
USB Type-Cは同じコネクタで給電と受電に対応でき、接続した機器同士で「どちらが電力を供給し、どちらが受け取るか」を能動的に決める仕組みが用意されています。1つのUSB Type-Cポートが給電側と受電側の両方になれる機能こそDRP(Dual-Role-Power)です。
USB Type-Cの電力に関する役割としては、電力を供給するSource(ソース)と電力を受け取るSink(シンク)の2つの仕様に加えて、接続相手に応じてSourceにもSinkにもなれるDRPによってUSB Type-Cは1種類のコネクタで充放電を兼ね備えた便利な端子を実現しています。
Source・Sink・DRPの違い
USB Type-Cポートの電力に関する動作は、Source・Sink・DRPの3種類に分けられます。
| ポートの種類 | できること | 代表的な製品 |
|---|---|---|
| Source | 電力を供給する | USB充電器、出力専用USB-Cポート |
| Sink | 電力を受け取る | 小型周辺機器、入力専用USB-Cポート |
| DRP | SourceとSinkのどちらかに切り替えられる | スマートフォン、タブレット、ノートPC、USB PDモバイルバッテリー |
例えば、コンセントに接続するUSB PD充電器は、電力を供給するSource専用の機器です。反対に、電気を受けるだけの小型機器はSinkとしてのみ動作するようになっています。この2つの接続だけであれば、充電器から機器へ電力が流れるだけなので、給電方向で迷うことはありません。
DRPは、状況によって役割が変わる動作です。例えばノートPCのUSB Type-Cポートは、USB PD充電器を接続したときには電力を受け取るSinkになり、USBメモリやスマートフォンを接続したときには周辺機器へ電力を供給するSourceに変わります。

同様に、USB Type-C入出力に対応するモバイルバッテリーも、充電器から内蔵電池を充電するときはSink、スマートフォンを接続したときはSourceとして動作します。1つのコネクタで入力と出力に共用できるのは、DRPの分かりやすい利用例です。
ただし、製品ページに「DRP」と明記されることはほとんどありません。一般向けの製品では「USB-C入出力」「双方向充電」「USB-Cポートから本体を充電可能」「接続機器への給電に対応」と説明しています。
また、同じ製品に複数のUSB Type-Cポートがあっても、すべてがDRPとは限りません。1つは入力・出力対応、もう1つは出力専用という製品もあるため、製品全体ではなくポートごとの仕様を確認する必要があります。





