
15Wクラスの2つ折りUSB端子搭載ソーラーチャージャー
最近、地震や豪雨のニュースをよく見るようになり、万が一の停電時でもスマートフォンやラジオ、ライトなどを充電できるように、USBソーラーチャージャーを買ってみました。

今回購入したのは、ELECAENTA (エレカンタ)の2つ折り15Wクラスのソーラーパネルです。
このソーラーパネルはUSB-AとUSB Type-Cの5V-2A出力を備えており、最大出力は15W。スマートフォンやモバイルバッテリーを直接充電できる仕様になっています。

折り畳み時は20cm×20cm、重量450gと薄型コンパクトになり、IP68の防じん防水性能も備えているので、アウトドア用途でも使えるようになっています。

よく晴れた日に測定してみる
晴れた日の12時ごろにパネルを開いて充電してみます。lux測定を行ったところ、最大40,000luxの計測器でオーバーフローしたので、発電時の光量としては申し分ない条件です。

ソーラーチャージャーの側面には、USB-AとUSB Type-Cのソケットを1つずつ搭載しており、給電できる明るさになると赤色のLEDが発光します。

USB端子の電力測定には、AVHzY CT-3に外部電源を接続して使用します。

USB Type-C端子で動かしてみる
早速、このソーラーパネルからどれくらいの電力を取り出せるのか測定してみます。
最初に、無負荷状態で出力電圧を測定すると5.23Vが計測されました。

USB-IFが定める5V出力では、通常の電圧範囲としてプラス方向は5.25Vまで、VBUSの最大許容値は5.5Vとなっているため、出力電圧としては問題ない範囲です。
次に、USBテスタの負荷機能を動作させ、取り出せる電力が最大になる範囲まで電流を増やしたところ、4.5V-1.7Aまで取り出すことができました。

電力換算では約7.5Wとなり、製品仕様の10Wにはわずかに届かない計測値となりました。
続いて、USB端子が対応する急速充電規格を確認してみます。

CT-3の急速充電リスト表示機能を使ってみましたが、このソーラーチャージャーのUSB Type-C端子には急速充電機能が搭載されていないようです。
USB-A端子で動かしてみる
次は、USB-A端子の電力を計測してみます。
無負荷状態では、USB Type-Cとほぼ同じ5.24Vが測定できました。

最大電力になる範囲まで負荷電流を増やしたところ、USB Type-Cと同様に1.7A付近で電圧ドロップが始まり、4.3~4.5V-1.7A程度が取り出せる最大出力となるようです。

USB-A端子で急速充電リスト表示機能を走らせたところ、こちらはUSB BC (UCP)1.5AとApple-2.4Aに対応するようでした。

Apple 2.4Aとしては認識するものの、このソーラーチャージャーの実力値は約7.5Wなので、実際に2.4A (12W)で給電されることはないと考えられます。
充電電力を表示できるモバイルバッテリーで実測性能を見る
最後に、充電時の電力を表示できるモバイルバッテリーを接続し、実使用時の挙動を確認してみます。

実際の充電電力は7.7Wとなり、USBテスタで計測したときとほぼ同じ供給電力になりました。

このモバイルバッテリーは20,000mAh、電力量72Whなので、空の状態から満充電にするには、真昼と同程度の光量が続いたとして約10時間必要になります。
ちなみに、製品仕様上はUSB Type-CとUSB-Aの同時使用で最大15Wを取り出せるはずですが、実際に両方へ負荷を接続したところ、USB Type-C側が7W、USB-A側が1W程度となり、合計出力でも10Wを超えることはできませんでした。

本当の緊急時で少し足しになる程度、不自由なく使うならもっと大きいソーラーパネルが欲しい

今回使用したソーラーチャージャーは、もともと15Wと比較的低めの仕様ですが、実際の出力性能を測定したところ、実力値は製品仕様の半分程度でした。7.5Wであれば、大容量バッテリーを搭載したスマートフォンでも、電源OFFの状態なら約2時間で充電できる計算になりますが、20,000mAhクラスのモバイルバッテリーを充電する用途では性能不足を感じるスペックです。
では、このソーラーチャージャーが15W表記なのに実測では7.5W程度だったことが、直ちに仕様詐称なのかと言われれば、そういうわけでもありません。
この手の製品では、搭載しているソーラーパネル自体の最大電力を製品出力として表記する事例が多く、実使用時にはパネル温度の上昇や光学的な損失、DC-DC変換などの影響によって、USB端子から取り出せる電力が低くなることがあります。
特に今回は5V-2Aを取り出すことができませんでしたが、夏場の炎天下で測定していたため、光量としては十分だった一方でパネル表面温度がかなり高くなっており、発電効率が低下したことも原因のひとつと考えられます。
そう考えると、実際の災害時にスマートフォンを不自由なく使用するためには、15~30W程度のソーラーチャージャーでは若干不足するかもしれません。ないよりは役立つと思いますが、昼間にモバイルバッテリーへ充電し、その電力を夜間にも使用するといった運用まで考えるのであれば、60~100Wクラスのソーラーチャージャーが欲しくなりそうです。
ちなみに、筆者はモバイルルーター SH-52Aとモバイルバッテリーを組み合わせ今回使用したソーラーチャージャーだけで無停電運用できるか試してみましたが、晴れた日が続いても3日程度で電源が尽きてしまいました。
そういう意味では、今回のような15~30W程度のソーラーチャージャーは、小型・薄型で持ち運びやすい緊急用充電器として、「ないよりはマシ」程度の認識で使うのがちょうどよいのかもしれません。


(3.5 / 5)



