VOLTECHNO(ボルテクノ)

ガジェットとモノづくりのニッチな情報を伝えるメディア

2024年7月7日

コンクリートバイブレータとは【工具の特徴・選び方解説】

コンクリートバイブレータとは【工具の特徴・選び方解説】

コンクリートバイブレータとはコンクリート締め固めに使う工具

コンクリートバイブレータとは、型枠内の固まっていない状態のコンクリート(生コンクリート/フレッシュコンクリート)に振動を与え、締め固めを行う電動工具です。

画像参考:HiKOKI accu beton trilnaad UV3628DA | YouTube

締め固めとは、固まる前のコンクリートを密実なコンクリートにするための作業です。振動によってコンクリートを型枠内・鉄筋の隅々まで充填し、運搬やコンクリート投入時に混入した空気泡を抜くために実施します。

締め固めを行わないと、仕上がり表面に凹部が生じて見た目も悪くなり、大きな気泡が残ると鉄筋が露出する事もあります。この状態をジャンカ(豆板)と呼び、通常のコンクリートの半分以下の強度になり、耐用年数に重大な問題が生じるため、適切な絞め固め作業が必要になります。

コンクリートバイブレータの使い方

画像参考:コンクリート構造物の品質確保・工場の手引き【施工編】|中国地方整備局 中国技術事務所

絞め固めが完了する時間は、コンクリートの状態によっても変わりますが10-30秒程が目安です。

この時間は、スランプが低くなるほど時間は長くなります。見た目の判別では、コンクリートの席板との接触面にセメントペーストの線が現れることや、コンクリート表面にモルタルが浮上して表面が光沢を帯びるなどで判別することもできます。

絞め固め作業の注意点

コンクリートバイブレータは、指導書やガイドラインに沿うような厳密な作業を行わなくても大きな問題にはなりませんが、誤った方法での作業は避けるように注意する必要があります。

振動部の横挿しやコンクリートの端に挿し込んで横に流動させると、コンクリートの材料分離の原因を招いてしまうため、地面に対して垂直に差し込むよう心がけます。

画像参考:コンクリート構造物の品質確保・工場の手引き【施工編】|中国地方整備局 中国技術事務所

コンクリートバイブレータそのものは直接気泡を抜く機械ではありません。振動によって生コンクリートを流動化させ、骨材と気泡の比重の差で上方に移動させやすくする機械です。バイブレータのかけ過ぎは比重の違いによってモルタルと骨材の分離も進行させ、コンクリートの強度不良を招くため絞め固めすぎも控えましょう。

コンクリートバイブレータの選び方・カタログスペックの見方

画像参考:HiKOKI accu beton trilnaad UV3628DA | YouTube

コンクリートバイブレータの登場以前は、硬練りコンクリートを突き棒や木ダコで突き・押し固める作業を行っていました。現在のコンクリート打設工事は、電気モーターで動くバイブレータを搭載する電動工具が広く普及しています。

コンクリートバイブレータの作業効率は、振動部の直径と大きく関係します。一般的に振動部の約10倍が有効範囲になります。振動部の太さがφ25mmの場合は、直径250mmの範囲が絞め固めの有効範囲になります。ただし、コンクリートの流動性や配筋等によっても異なるため注意が必要です。

コンクリートバイブレータと高周波バイブレータの違い

コンクリートバイブレータに似た名前の工具に高周波バイブレータがあります。

高周波バイブレータとは、モーター内蔵の振動部と外付けの3相インバータで構成される高出力のコンクリートバイブレータです。基本的にはコンクリートバイブレータと同じ仕組みの製品ですが振動部直径がφ100を超える製品も販売されており、大型マンションやビル、貯水池、トンネルなどのような大型コンクリート建造物で用いられます。

インバータによる給電を行うため、補助要員による電源コード取り回し補助が必要ですが、高い作業性を持つのが特徴です。

コンクリートバイブレータをピックアップ

コンクリートバイブレータは100Vで動作する電源コード式が一般的ですが、現在はリチウムイオンバッテリーの性能向上もあり、充電式のコンクリートバイブレータも普及しています。

充電式のコンクリートバイブレータは電源コード式のものと比べ連続作業時間や出力で劣ってしまいますが、電源コードが無いので電源確保の心配も少なく、取り回しに優れるので、足場が不安定な鉄筋上の作業では充電式のコンクリートバイブレータの使用が推奨されます。

電源コード式のコンクリートバイブレータは、電源確保のほかに延長コードの手配やコードが引っかからないよう補助人員も必要になる。最近はバッテリーを搭載するコードレス式のコンクリートバイブレータが人気
画像参考:コードレス高周波バイブレータ ECV-Mシリーズ|エクセン株式会社

マキタ VR350D 充電式コンクリートバイブレータ

形式 フレキタイプ 振動部 Φ25×221mm
作業可能深さ 800mm フレキアッセンブリ 800mm
振動数 13,000回/分 作業量 22.2m3
寸法 1,083×93×250mm 重量 3.2kg
電源 18Vバッテリー    

マキタ VR450D 充電式コンクリートバイブレータ

形式 フレキタイプ 振動部 Φ25×221mm
作業可能深さ 1,130mm フレキアッセンブリ 1,200mm
振動数 12,000, 15,200回/分 作業量 22.2m3
寸法 1,483×93×250mm 重量 3.7kg
バッテリー 18Vバッテリー    

HiKOKI UV3628DA コードレスコンクリートバイブレータ

HiKOKI(ハイコーキ)
¥58,000 (2024/11/23 10:41:58時点 Amazon調べ-詳細)
・AC100V以上のハイパワー
・36V/4.0Ahの大容量バッテリーが付属
形式 フレキタイプ 振動部 Φ28×178mm
作業可能深さ フレキアッセンブリ Φ28×1,200mm
振動数 12,000, 15,200回/分 作業量 45分, 60分
寸法 1,045×109×224mm 重量 4.2kg
電源 36Vバッテリー    

エクセン E28DA 軽便電棒

エクセン
¥63,223 (2024/11/23 11:01:10時点 Amazon調べ-詳細)
形式 電棒型 振動部 Φ28×178mm
作業可能深さ フレキアッセンブリ Φ28×1,200mm
振動数 12,000, 15,200回/分 作業量 45分, 60分
寸法 1,045×109×224mm 重量 4.2kg
電源 AC100V    

エクセン ECV-Mシリーズ コードレス高周波バイブレータ

形式 フレキタイプ 振動部 Φ43×255mm
作業可能深さ フレキアッセンブリ Φ33×1,500mm
振動数 12,000回/分 作業量 55-130分
全長 1,945mm 重量 4.8kg
電源 マキタ電源ユニット    
Return Top