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2022年10月24日

INNOCN M2U 4Kモニターの実力を見る!4K解像度・HDR1000・MiniLED搭載のデザインモニター

INNOCN M2U 4Kモニターの実力を見る!4K解像度・HDR1000・MiniLED搭載のデザインモニター

中国深セン市のモニターブランド INNOCN(世紀創新顕示電子有限公司)は2022年5月にHDR1000・MiniLEDを搭載する4Kモニタ 27M2Uの発売を開始しました。HDR1000認証取得済みで最大輝度1000Nitsに対応し、ローカルディミング機能を搭載することにより、鮮やかな色彩表現でどの角度から見ても優れた色再現性とコントラストを実現しています。

INNOCN 4Kモニター M2U

今回レビューする製品は、2022年5月に発売を開始した中国深セン市のモニターブランド INNOCN(世紀創新顕示電子有限公司) の4Kモニター 27M2Uです。

27M2Uは「VESA Display HDR 1000認証」取得した4Kモニターです。

普及帯のモニターとしては前回紹介した27C1Uモニターのような27インチ・60Hz・HDR400仕様の製品が販売されていますが、今回の27M2Uは、HDR1000認証に加え384分割のMiniLED(フルアレイローカル調光)を備えながらもハイエンドながら6万円台で販売されている「価格破壊帯」とも言える4Kモニターです。

筆者はディスプレイ周りの技術動向について造詣が深い方ではなく、モニタ性能を評価する測定機器等も所持していないため、今回の記事では外観デザインや実用途的な使い勝手を中心に製品レビューを行います。

製品仕様

製品名 27M2U
外観
メーカー INNOCN(深セン市世紀創新顕示電子有限公司)
画面サイズ 27インチ
解像度 3840 x 2160p(4K UHD)
パネルタイプ IPS(AHVA)/miniLED
応答速度 12ms
HDR HDR1000
視野角 178°(水平・垂直)
画面比率 16:9
輝度 1000nits
コントラスト 1000:1
内蔵スピーカー 5W×2
リフレッシュレート 60Hz
映像入力ポート DisplayPort1.4・USB-C・HDMI 2.0×2
Type-Cポート電力供給 最大90W
オーディオ出力ポート 3.5mmオーディオ
スタンド高さ調整幅 120mm±5mm
スタンドチルト調整幅 前傾:5°±2°
後傾:20°±2°
スタンド左右回転幅 ±22.5°
VESA 100×100mm
販売年月 2022年5月

製品の特徴
「4K解像度・HDR1000・MiniLED搭載で6万円台」

27M2Uは、4K解像度を持つHDR1000認証+MiniLED(フルアレイローカル調光)機能を搭載するモニターです。

HDR(High Dynamic Range)とは、ハイライトとシャドウを同時に表現できるコントラストの高い表現を実現する機能(意訳)であり、HDR対応のコンテンツの描写において、従来のSDR(Standard Dynamic Range)よりも実際の目視に近い状態での表現が可能にする機能です。

昨今のディスプレイはHDR規格の中で最もグレードの低いHDR400規格を取得していますが、実際にはSDRと大差ないとも言われており、本格的なHDRコンテンツを楽しむためにはHDR600やHDR1000のグレードが必要です。

27M2Uが認証を受けるHDR1000は、全白光度・ピーク輝度:1000 cd/m2などの明るい仕様を備え、色域:99%・色深度10bitに対応しており、HDR対応の映像コンテンツやゲームをより臨場感の高い描写で楽しめる仕様となっています。

さらにHDR1000で必須とされるゾーンレベルのバックライト制御を384分割のMini LED(フルアレイローカル調光)で実現しながらも、販売価格6万円台と圧倒的なコストパフォーマンスに優れた4Kモニターです。

使い勝手に優れた標準付属スタンド

27M2Uは、リフト(昇降機能)最大12 cm・左右スイベル(首振り)±22.5°、前後チルト(角度調整)上方向20°・下方向-5°に調整可能な組み立て式のスタンドが付属しています。

付属の組み立て式のモニタースタンド。この二つの部品ネジ止め式で組み合わせるので簡単に組み立てできる。
モニターへの装着はツールレスのワンタッチで装着可能。
リフトを一番下まで下げたところ
リフトを一番上まで下げたところ

調光センサーを搭載

27M2Uはモニター上部に調光センサーを搭載しており、部屋の明るさに応じて自動でモニターの明るさを調節してくれます。

試しに手をかざしてみると、自動でディスプレイの明るさが調節されている動作を確認できます。

ちなみに光センサー機能は「その他の設定」から「光センサー」で自動調光機能のON/OFFが可能です。

背面ポートの構成

27M2Uは、HDMI2.0が2つ、DisplayPort 1.4が1つ、USB-Cが1つの映像入力ポートを備えています。

USB Type-CポートはAlternate Modeによる映像入力機能に加え、USB PDによる電源供給機能も可能なので、USB PD充電対応のノートパソコンやスマートフォンを接続すれば、映像出力と機器充電が1本のケーブルで可能です。

USB PD 90Wの電源供給に対応

27M2UのUSB Type-CポートはUSB PD最大90Wの電源供給に対応しているので、USB PDノートパソコンなどの充電も可能です。

ちなみに偶然見つけたことですが、稀に27M2UのPDOが最大45Wに制限されてしまう場合があるようです。

その場合は電源を入れなおせば90WのPDOが配信されるので、機器への充電スピードが遅いと感じた場合には一度モニタの電源を入れなおした方が良いかもしれません。

ゲーミングオプションを搭載

ゲーム設定では、「RPG / RTS」「FPS」「MOBA」の4モードを搭載しています。

意外と便利なRIP機能、2台デバイス同時表示で監視用途にも

27M2Uが搭載する特徴的な機能に、複数の映像入力を同時に表示するRIP機能があります。

モニター右上の領域には、写真右下のPCの画面を表示している。メインPCで作業を行いながらアップデートの管理を行えるので便利。(画像は27C1U)

この機能を使用すると1台のディスプレイで同時に2つの映像を表示できるので、メイン入力に最も使う機器の映像を表示しながら、サブ表示にスマートフォンやタブレット・メンテナンス中のPC画面を表示するなど、管理や保守作業などへの活用も可能です。

VESAマウントへの装着、マウント寸法は100×100mm

筆者はエルゴトロンのディスプレイアームを愛用しているので、27M2Uもアームに装着して運用します。

27M2Uは100mmのVESAマウント穴を備えているので、市販されているほとんどのディスプレイアームへの装着が可能です。VESAマウントを使用する場合には、付属のモニタースタンドは使用しません。

27C1Uとの色表現比較

筆者はゲームや動画視聴などにもパソコンを使用していますが、最も頻度が多いのはRAWデータの現像や画像加工です。

実際にこのサムネイル画像をAdobe Photoshopで表示させた比較画像が下になります。カメラを通すと色温度が露骨に変わって見えますが、一応それぞれのモニタ上で数値上の設定は同じ値にしており、実際の目視では画像ほどの差は無いように感じています。(写真はSDRです)

主観的な印象としては、色の表現や黒の深みなどを含めて発色が良いように感じました。

筆者はイベント取材などで製品の撮影を行った時、手持ちの同色の製品と比較しながら写真の色彩調整を行うのですが、どうしても表示デバイスによって色合いが微妙に変わってしまうため、付属のキャリブレーションレポート内で最も色差ΔEが小さいとされるAdobeRGBモード(ΔE : 0.52)を基準に作業するようにしています。

重力センサは少し難あり、パソコンで使うなら直接切替を推奨

27M2Uは重力センサを搭載しており、ディスプレイの回転方向に応じて自動でアスペクト比を切り替える機能があるのですが、この機能は少し難ありかもしれません。

稀にではあるのですが、省電力モードからの復帰時に横表示のまま表示されてしまう場合があり、少し画面を揺らさないと縦表示に切り替わらない場合があります。その場合、Windowsの解像度切り替えで画面が暗転してしまうため、使い勝手は少し悪く感じます。27C1Uはそのような動作は無かったので、27M2U特有の挙動のようです。

頻繁に縦横表示を切り替える使い方でない場合には、重力センサをOFFにして、OSから直接縦横の解像度を調節する運用方法をおすすめします。

HDR1000対応モニターとしては高いパフォーマンス
デザインモニターを謳うだけあって色の表現性も良い

今回の27M2Uの純粋な4Kモニターとしてコストパフォーマンスだけで言えば、以前紹介した27C1Uの方が優れているのですが、27M2Uの優れている点は、クリエイターやHDRコンテンツを楽しみたい向けにとってのコストパフォーマンスの良さです。

この辺りはユーザーの用途に寄りけりですが、HDR1000やMiniLED対応のモデルとしては圧倒的な価格の安さで販売しており、高色域やHDRコンテンツ向けの27インチ4Kモニタとしてはほかに選択肢が無い状況とも言えます。

外観デザインについては、シルバー調のデザインが好みのわかれるところと言えそうですが、IPSパネルを採用している関係もあり、どうやらゲーミング用途の点では若干性能不足なディスプレイのようです(Amazonページ 出品者回答で12msとのこと)。

27M2Uの想定している用途としては、ゲーミングPCユーザーよりもクリエイティブ用途や動画視聴ユーザー、またはMacユーザーに合わせた製品と言えるのかもしれません。HDR自体、積極的に使わないと触れることの難しいコンテンツとも言えるのですが、これからHDR対応のゲーム機やコンテンツを楽しむぞ!と言う方にこそおすすめできるモニターです。

ちなみに中国系レビューサイトでは、27M2Uのコントラスト比1,000,000:1として紹介されていますが、付属のマニュアルは1,000:1と書かれており、筆者が実際に目視で白黒の発色を観察した感じでも27C1Uとコントラストに大きな違いは感じませんでした。この辺りは、HDRコンテンツやモード切替によって多少変わるのかもしれません。

まとめ

INNOCN 4Kモニター 27M2U

VOLTECHNO製品評価 4.5 out of 5 stars (4.5 / 5)

HDR1000に対応する4K 27インチモニター

良い点
  • 色調の表現力に優れキャリブレーション済み
  • モニタースタンドが多機能
  • 重力・調光センサを搭載
  • HDR1000対応でコスパが良い
  • USB PD90W供給に対応
悪い点
  • 重力センサがたまに不安定
  • USB PDの供給電力が下がる場合がある
  • ベゼルが見た目よりは狭くない
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