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2023年9月29日

Mellif マキタ18Vバッテリー互換グルーガン、中国ブランドの互換充電式工具は使えるか

Mellif マキタ18Vバッテリー互換グルーガン、中国ブランドの互換充電式工具は使えるか

当記事で紹介する製品はマキタブランド製品ではありません。株式会社マキタ及びマキタ取扱店へのお問い合わせはお控えください。

マキタ18Vバッテリー互換グルーガン

今回紹介する製品は、中国Mellif マキタ18V互換工具 充電式グルーガン CDLSHG-Gです。

以前、中国の通販サイトでマキタ18Vバッテリーで動作する充電式グルーガンをTwitterにアップしたところ意外と反響が大きかったので、色々な資材を輸入したついでにグルーガンも注文してみました。購入価格は輸入諸経費込みで5,000円程度でした。

このグルーガンはマキタ18Vバッテリーで動作しΦ11mmのスティックを使用する高出力仕様の充電式グルーガンです。

ちなみにグルーガンのバッテリーモデルは乾電池式や3.6Vリチウムイオンバッテリーの小型モデルが多く、温度や稼働時間の観点から実用性には乏しい製品なのですが、今回紹介するグルーガンは、電動工具用の強力な18Vバッテリーの装着によりAC電源のグルーガンに匹敵する性能を持っています。

製品仕様

製品名 CDLSHG-G
外観
販売ブランド Mellif
バッテリー マキタ18V
消費電力 100W
グルースティック径 11mm
温度 180~200℃
予熱時間 3~5分
重量 120g
寸法 130×110×25mm

Mellif Toolsとは

今回解説するマキタ18Vバッテリー互換充電式グルーガンは、中国深セン市の商社 Shenzhen Icefire Ecommerce Co., Ltd.が展開する工具ブランド Mellifシリーズの製品です。

Devin Lee氏によって2020年に設立された新興の企業であり、同社の展開するMellifシリーズは、DeWALT・Milwaukee・マキタのバッテリーで動作する互換電動工具を中心として欧米市場で販売が行われています。

Mellifブランドを取り扱う日本支社及び国内代理店は存在しないため、日本国内でのMellifブランド製品の購入は個人輸入になります。

Mellif公式サイトではライトや変換アダプタなどを販売している。権利や保護回路構造などはともかくとして、低価格なアイデア製品が多い。
画像参考:Mellif公式サイト

製品の特徴
「マキタ18Vバッテリーで動く充電式グルーガン」

早速、グルーガン本体を見てみましょう。

製品の色合いはマキタブルーに似せていますが、青の色合いが本来のマキタブルーより鮮やかなので、比較すると一目で違いが分かります。

電源スイッチはグリップ部下方に設置しています。オフロック機構などが無いスライドスイッチなので、工具袋に雑に入れてしまうと不意にONならないよう注意した方が良さそうです。

バッテリー装着部はこんな構造です。バッテリー装着する時のフィット感は悪くないのですが、スライドレールの強度が見るからに低そうなので、落下や衝撃は加えない方が良さそうです。

本体後部にはグルースティックを差し込む穴があります。この辺りは普通のグルーガンと大きな違いはありません。

外観の細かい部分に突っ込んでしまうとキリが無いのですが、意外と質感は悪くありません。

ハウジングのシボも全体的に綺麗でエラストマ部分の二色成型部剥がれなどもありません。ハウジング合わせ面の歪みも無いので、純中国生産の製品も相当なものになったと感心しています。

充電式グルーガンを使ってみる

実際にマキタバッテリー BL1860Bを装着して使用してみます。

グリップ下部のスライドスイッチをONにすると赤色のLEDが点灯してヒーターが温まります。

3~4分経過すると、グルースティックが溶ける温度に到達するので本体後部からスティックを挿入します。LEDの点灯状態は通電状態を表すだけで、温度到達を表す点滅機能はありません。

トリガーを引いて先端から溶けたグルーが流れ出るのを確認します。グルーがスムーズに流れ出るようになったら、準備完了です。

100Wのヒーターを搭載しているので、高温タイプのΦ11mmグルースティックも難なく吐出します。勢いよくトリガーを引いてもちゃんと溶けたグルーが出てくるので、段ボール梱包の封作業のような一気に吐出する用途でも問題無さそうです。

ちなみに使用中のボディ部分が熱くなりすぎないか触って確認してみたところ、少し暖かいくらいで素手で触れても問題ない程度の温度でした。

重心がかなり下なので持ち方に工夫が必要

グルーガンそのものとしては良い製品なのですが、大型のマキタ18Vバッテリーを本体下部に装着している関係上、重心がかなり下に移動しているので持ち方に工夫が必要です。

普通のグルーガンであれば、親指と人差し指の間で本体を挟んで、残りの指でトリガーを引く持ち方で使うと思います。このグルーガンの場合だと、マキタバッテリーが重すぎるために安定して持つことができません。

一般的なグルーガンの持ち方。この持ち方だとマキタバッテリーが重すぎて作業中にグルーガンをしっかり持てずに不安定になってしまう。

かといって人差し指だけトリガーに掛けるような持ち方をすると、グリップを握っている指がトリガーの摺動を邪魔して十分にグルーを吐出できません。

安定してグルーガンを保持できるが、指が邪魔になりトリガーを引ききれなくなる。

このグルーガンで最も安定して使える持ち方が、指2本ずつトリガーと本体に分けて持つ方法です。この持ち方なら、トリガーの引き量と安定した保持を両立できます。

一番バランスの良い持ち方。本体を安定して保持できトリガーも引ききることができるが、小指と薬指で保持するので腕への負荷が大きい

ただしこの持ち方は、600gのマキタバッテリー+120gのグルーガンを小指と薬指で持つ使い方になるので、長時間作業を行うと腕の変なところが筋肉痛になったり腱鞘炎になったりするかもしれません。

難もあるが、実用面には意外と悪くない充電式グルーガン

今回の充電式グルーガンについては、重心の悪さや耐久性など不安に思う部分は多々あるものの、輸入諸経費込みで5,000円くらいの製品と考えれば十分な製品だと思っています。何より、充電式グルーガンのコンセプトは意外と有用で製品自体の欠点は打ち消してしまう程です。

グルーガンは手芸やアートの分野で使われるイメージが強い工具で、実際にBOSCHなどは手芸向けの充電式グルーガンなどを出しているのですが、産業用途などではダンボール梱包やPOPディスプレイの組立、緩衝材の固定など幅広い用途で活用されている工具です。

一般的なグルーガンはAC電源を使用するので作業場所の制限を受けやすく、汎用的な接着能力を持つ接着資材の割に活用できるシーンの少ない製品なのですが、コードレス化によって取り回しの面が解決すれば、活用できる場所はもっと増えるのではないかと考えています。

このグルーガンの入手方法ですが、記事執筆時点でざっと見た限り国内ネットモールで取り扱っている販売店や商社はいないようなので、海外サイトからの個人輸入になります。個人輸入品の場合、輸送トラブルや製品事故は自己責任になるので注意しましょう。1

ちなみに元売りのMellif Toolsは卸売り取引も行っており、購買条件も比較的緩いので、やる気のある販売店なら取り扱う店舗も出てくるかもしれません。(マキタ営業の目は冷たくなりそうですが)

マキタ18Vバッテリー互換グルーガン まとめ

Mellif CDLSHG-G

VOLTECHNO製品評価 4 out of 5 stars (4 / 5)

マキタ18Vバッテリーで動作する充電式グルーガン

良い点
  • マキタバッテリーでグルーガンが使える
  • ヒーター出力が高く吐出性も良い
  • 最大1時間連続稼働
  • 輸入諸経費込みでも安い
悪い点
  • 重心位置が悪く手が疲れる
  • スイッチにオフロックが無い
  • 温度調整がない

脚注

  1. 海外の製品を並行輸入品や個人輸入品として購入するときの注意点|消費者庁
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