電子回路に使われる回路基板は、切断が難しい材料です。基板は薄く・小さく・硬く・複合材料なので、切断性能に優れた小型の専用工具を使用するのが。
目次
基板は切断が難しい材料、基本は割るか切削
電子回路に使われている基板は、ガラス繊維やエポキシ樹脂を使用する複合材料なので、加工が難しい材料に分類されます。
一般的に普及しているFR-1, CEM-3, FR-4と呼ばれる基板は、ガラス・紙と接着剤の複合材料なので、石材切断に使われるような研削系の切断工具を使うと良好な加工性を得られます。また、切れ目を入れて割る方法もおすすめです。
電子回路の設計は初めから外観寸法を決めてから設計を進めることが多く、基板製造時にフライスなどで切断してから納品されるのが一般的で、後加工として基板を切断することはほとんどありません。基板を切断する工具も需要がほとんどないため、電子工作などでは基板を切断する方法に迷ってしまうこともあります。
PCBカッター:ダイヤモンド刃で基板を切削
基板専用の切断工具がPCBカッターです。卓上丸ノコをコンパクトサイズにした切断工具で、ダイヤモンドディスクの装着によって幅広い材料の基板切断に対応しているのが特徴です。
切断性も良好で、バリも少なく、面取り加工にも対応しています。集じんアダプターも付属しているので周囲が汚れるのも防止できるのも嬉しいポイントです。
ディスクの交換で金属・プラスチック・木材の切断にも対応できるので、汎用的な板材切断ツールとしても使えます。
基板ミシン目カッター :ニブラのように切り抜く基板専用カッター
基板をニブラのように切り抜いて切断するのがgootの基板ミシン目カッターです。
元々は基板スリットのミシン目を切断する工具ですが、切り抜きを連続してつなげることで基板の切断にも使えます。軽い力で切断できるので作業性も良好で、基板へのストレスが少ないのでユニバーサル基板のような穴が大量に空いている基板にも対応できます。
電子工作ユーザー以外にも、面付け基板を取り扱う産業基板設計のプロユーザーにもおすすめの製品です。
カッターナイフ:切れ目を入れて基板を折る
電子工作で基板を切断する定番の方法がカッターを使った切り出しです。カッターナイフで何度も切込みを入れてから、切れ目に沿って割ることで基板を切断します。
コストも安く手軽に切断できるのが特徴ですが、直線しか切断できないのと、刃の消耗が激しく作業に時間もかかるのが欠点です。
ミニルーター:曲線切断やサイズ合わせに
ミニルーターを使うと、基板を自由自在に切断できます。先端ビットをダイヤモンドツールや切断砥石に変えれば、切断・切り出し・バリ取り・穴あけ等、基板に対して色々な加工に対応できます。
直線切断は苦手ですが、曲面の切り出しなどにも使えるので、感光基板などで基板を作る人などは1本ルーターをダイヤモンドツールを揃えておくと便利です。切削性はダイヤモンドよりも切断砥石の方が優れています。
ルーターで切削すると粉塵が大量に散ってしまうので、ハンディクリーナーや掃除機を用意しておくのがおすすめです。
ニッパー:ユニバーサル基板ならニッパーでもOK
ユニバーサル基板の切断なら、スルーホールの穴に合わせてニッパーで切り出すこともできます。
切りたいところでバチンと刃を入れてしまえばすぐに切れるので、基板の切断の方法では一番手軽です。ただし、穴が並んだユニバーサル基板でしか切断できないのと、予想外の所まで切れてしまうこともあるので注意は必要です。バリも出てしまうので、やすりなどで整える必要もあります。