
タイルや陶磁器など装飾材の穴あけには専用のビットを使用します。タイルへの穴あけは水を使う湿式切断が一般的です。この記事では作業の方法についても解説します。
目次
陶磁器の穴あけには専用ビットを使う

装飾材や直接触れるところで使われることの多い陶磁器材料は、硬くてもろい材料です。一般的な石材穴あけには振動ドリルやコンクリートドリルを使用しますが、タイルへの穴あけ加工にはタイル専用ビットやダイヤモンドドリルなどの専用ビットを使用します。
電動工具には、六角ビットが取り付けられる工具を使用します。タイルの穴あけは振動ドリルやハンマドリルのような打撃が不要なので、インパクトドライバーやドライバドリルも使えます。
ちなみにタイル・陶磁器用のビットは木工や金属用のドリルと異なり寿命が短く、数10回程度の穴あけで先端が鈍り切削スピードが落ちてしまいます。基本的に消耗品で再研磨もできないため、割り切って使用するのがおすすめです。

参考:磁器タイル用ドリル No.APDチラシ
防水構造のドライバー・電動ドリルを推奨
タイルなどの石材の穴あけ作業は、一般的に水を使う湿式で穴空けを行います。湿式とはビット先端に常に液体を浸しながら切断・穴あけを行う作業方法です。切断粉の洗浄や先端を冷却しながら穴あけができるので、綺麗に穴あけとビットの寿命を延ばす効果があります。
石材の穴あけは熱が籠りやすく、ビット先端の超硬チップやダイヤモンド紛が劣化して寿命が短くなってしまうので、常に水を流し続けて冷却を行う必要があります。
水を濡らすのはビット先端だけで、電動工具本体に水がかかるほどの注水するわけではありませんが、ビットの回転によって水が飛散してしまうのでIP56のような防水構造を搭載した電動工具を使用するのがおすすめです。
水はどんな方法で注水してもOK、ビットを過熱させないのがコツ
給水機能を持つわけではないので、ビットへの注水方法は少し工夫する必要があります。
ビット先端を水を満たしたコップへ数秒ごとに浸したり、霧吹きで注水したりと、ビット先端が過熱しなければどんな方法で水を注水しても構いません。
壁などに張られたタイルに穴をあける場合では、専用の注水器を使用して効率の良い湿式穴あけを行うこともできます。
磁器・タイル用ドリルビット

手軽に穴あけできるのが「磁器・タイル用ビット」です。
先端に磁器タイル専用の超硬チップを接合してあり、硬い石材に対しても確実に穴をあけることができます。ビットの寿命は短くなりますが乾式での穴あけにも対応しているので、周囲を汚さず穴あけできるのも特徴です。
ビット1本あたりの価格も安く、概ね1本1,000円以下で購入できるので数本だけ穴をあけたい場合におすすめです。
ベッセル 磁器タイル用ドリルAPDシリーズ
BOSCH 磁器タイルドリルビット
ダイヤモンドビット・ダイヤモンドコアドリル
高い穴あけ能力と長いビット寿命を持つのが「ダイヤモンドビット」です。
先端のダイヤモンド砥粒で穴を開けるので、高い穴あけ能力を持ち、穴の端で発生するカケが少なくキレイな仕上がりになるのが特徴です。見た目重視ではダイヤモンドビットが使われます。
ビット先端に結合しているダイヤモンド砥粒は熱に弱く、高熱下ではダイヤモンドの黒鉛化が進行して切削力が極端に低下するため、湿式での穴あけが必須です。
ミヤナガ クールダイヤシリーズ
三京ダイヤモンド VBダイヤドリルシリーズ
グラインダ+コアドリル

ダイヤモンドコアドリルの中にはディスクグラインダーに装着して使用するタイプもあります。
グラインダー装着タイプは「何倍もの穴あけスピード」「乾式穴あけに対応」などの特徴を持つため、使い勝手に優れているのが特徴です。