コンクリートは石材に分類される材料で、建築物から基礎まで様々なところで多用されています。コンクリートを施工した後に、窓を開けたり通り穴用の穴をあける場合には高出力で特殊な工具を使用する必要があります。これらの開口工具は専門知識が必要な上、作業自体も難しく、構造物の強度計算を行う必要もあるため作業時は十分注意しなくてはなりません。
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コンクリートの開口作業には注意が必要
コンクリートの開口作業は切断や穴あけと違い、不測の事態に対する対処的な作業であることが多く、一般的な作業として行われることはほとんどありません。本来、コンクリートは型枠に打ち込んで構成する場合が多いので、開口が必要なら初めから開けてある場合がほとんどです。
開口作業を行う作業は、鉄筋が入ったコンクリート造の建築物に対してが最も多いと考えられます。
このような建築物は、窓穴や配線・パイプの通り穴に対してスリーブと呼ばれる貫通孔が通っているはずで、コンクリートへの開口や穴あけ作業は必要ないことがほとんどです。実際に開口作業を行うケースとしては、施工後の設計変更や施工時のミス・災害時の解体作業など特殊な用途が考えられます。
鉄筋コンクリート造の建築物への開口作業を行う場合には、鉄筋の有無を強く意識する必要があります。設計書を確認して鉄筋を切断する恐れはないか、切断しても躯体の構造強度が落ちないかなど念入りに事前調査を行う必要があります。1
コンクリートへの開口作業はグラインダーやエンジンカッターなどの切断ディスクでも可能ですが、実際の開口作業は分厚い建築物に対して行われる場合が多く、ディスクでは切断能力が不足する場合があるため注意が必要です。
ダイヤモンドコアドリル
コンクリートの大径穴あけに使用するのがダイヤモンドコアドリルです。
ダイヤモンドコアドリルとは、ホールソーのような先端工具にダイヤモンドが付いたコアビットを装着して穴あけを行う電動工具で、回転のみで穴あけ作業を行うため低騒音・低振動なのが特徴です。
本来の用途はエアコンのダクトやケーブルを通すための工具ですが、連続的に穴を開けて穴同士を繋げることで開口作業を行うこともできます。
ダイヤモンドコアドリルは製品の種類が豊富で「ポールベース式」「手持ち式」「自動送り」「湿式」「乾式」など様々な穴あけ機能を持つダイヤモンドドリルが販売されています。
コンクリートチェーンソー
石材切断専用のコンクリートチェーンソーもあります。
石材切断用に高出力の動力で動作するチェンソーで、ハスクバーナやSTIHL製のエンジンを動力とした製品が一般的ですが、電気チェーンソーや油圧で動作するチェンソーなども販売されています。
湿式切断の切削液供給口を搭載しており、素早い切断と曲線窓抜きに対応している点です。切断中の音は非常に大きく周囲への切削汚水の配慮などの欠点もありますが、コアドリルよりも素早く大きな穴をあけるのが大きな利点となります。
実際のところは、開口作業よりも解体や災害救助活動等の装備として活用するケースの方が多いようです。