電動工具を製造・販売する株式会社マキタ(本社:愛知県安城市)は、2023年10月11~13日開催の第13回 TOOL JAPAN 2022(会場:幕張メッセ)のマキタブース内で充電式運搬車 CU601D/CU602Dを発表した。従来モデルCU600Dに電動昇降機能を備えワンタッチでの昇降、降ろし機能を搭載する。本体希望小売価格は870.000円。
本記事はイベント取材時点の製品情報を紹介・解説するものであり、製品仕様や発売時期を保証するものではありません。
目次
マキタ 充電式運搬車 CU601D/CU602D
電動工具を製造・販売する株式会社マキタは、2023年10月開催の第13回 TOOL JAPAN 2022(会場:幕張メッセ)で充電式運搬車 CU601D/CU602Dを発表しました。
CU601D/CU602Dは、2022年に発売した充電式運搬車 CU600Dシリーズに電動昇降機能を追加したモデルです。
最大積載量 300kg・最高速度 5km/h、最大登坂12°の製品仕様はそのままに電動リフト・電動バケットを搭載し、ワンタッチでの昇降機能作業に対応します。
電源は18Vバッテリー2本装着で動作し、バッテリー2本セット装着で最大4本のバッテリーによって最大7.2kmの連続走行を実現します。。
製品仕様はリフト仕様のCU601D、ダンプバケット仕様CU602Dの2仕様で展開し、販売仕様は本体のみのZで販売します。発売時期は2023年10月時点で未定です。
- CU601DZ 本体のみ 希望小売価格870,000円(税抜)
- CU602DZ 本体のみ 希望小売価格870,000円(税抜)
CU601D/CU602D 製品仕様
製品名 | CU601D | CU602D |
---|---|---|
外観 | ||
バケット仕様 | パイプフレーム | バケット |
電動リフト仕様 | 昇降幅 475~1,020mm | 電動傾斜:~75° 手動傾斜:115° |
動作電源 | 18V×2 | 18V×2 |
モータ | DCブラシレスモータ | DCブラシレスモータ |
最高速度 | 前進:5.0km/h 後進:- |
前進:5.0km/h 後進:- |
最小回転半径 | 1,150mm | 1,150mm |
最大積載量 | 300kg | 300kg |
最大登上能力 | 12° | 12° |
1充電走行距離 | 7.2km (BL1860B×4) |
7.2km (BL1860B×4) |
ブレーキ | ハンドブレーキ+ サポートブレーキ |
ハンドブレーキ+ サポートブレーキ |
タイヤ | – | – |
防じん防水 | IPX4 | IPX4 |
重量 | 145kg | 145kg |
最大寸法 | – | – |
最小寸法 | – | – |
本体価格 | 870,000円(税別) | 870,000円(税別) |
販売年月 | 近日発売予定 | 近日発売予定 |
製品の特徴
「電動昇降機能搭載の充電式運搬車」
CU601D/CU602Dは、電動昇降機能を搭載する充電式運搬車です。
電動リフト機能搭載のCU601Dは、475~1,020mmの範囲での無段階昇降に対応しており、作業者の背の高さに合わせた調整や段差のある場所の荷積み作業などに対応します。
電動バケット仕様のCU602Dは、最大75°までの電動昇降動作に対応します。手動作業なら電動昇降範囲を超える115°までバケットを開くことができます。
ちなみに、CU601DとCU602Dの電動ユニットは取り外し不可能な構造で、CU600Dへの電動化などにも対応していません。
最大300kgと最大登坂能力12°の運搬応力
電動昇降機能を搭載しながらも、CU600Dシリーズと同等の運搬能力を搭載しています。
最大積載量 300kg・最高速度 5km/h、最大登坂12°の能力を持ち、型式認定取得済みなので、労働安全衛生法に規定される構内運搬車として使用できます。
3速切り替えの速度調整
スピード調整は3段階の切り替え調整が可能で、荷物の重量や走行環境に応じて切り替えが可能です。
上下可動式ダブルリヤタイヤで凸凹道も安定して運搬
後輪ダブルタイヤ構造で高い耐荷重をかなえながらも小径サイズを実現。後輪の旋回性に優れています。
後輪が上下に可動するので、路面の凹凸があるところでも左右の前輪を安定させて駆動できます。
オプションタイヤで様々な作業現場に対応
別売のタイヤオプション装着で物流倉庫から芝生地など幅広い場所での運用に対応します。
防水IPX4適合で雨天運用・水洗いにも対応
防水規格IPX4適合と防水設計WGに対応し、急な雨天時での運転や水洗いにも対応します。
待望の電動モデル、値段の高さは悩みどころ
今回のCU601D/CU602Dの基本的な外観仕様は、従来製品のCU600Dシリーズを踏襲したモデルであり、製品としての違いは電動昇降機能の有無のみとなります。
4輪構成のマキタ充電式運搬車に関しては、発売以前の特許構想が今回の電動モデルで全て製品化されており、製品展開としては一旦の区切りがつきました。今後しばらくは新製品があったとしても、40Vmax化やコネクタ接続モデルの展開に留まるでしょう。
さて、待望の電動昇降機能対応の充電式運搬車が登場したわけですが、元々のCU600Dですら実売50万円近い製品であり、電動化によってさらに高価格化してしまったのは無視できない要因です。実売価格は60万円前後になると予想され、中古の軽トラックにも手が出る価格になっています。
とは言え、この手の製品は経費的な対応を必要とする事業者や法人に向けた製品であり、価格に関してはそこまで大きな問題ではないと思っています。購入するユーザー次第ではありますが、少し悩んで購入を決定できるくらいのユーザーを対象としている価格帯の製品なので、値段に対してとやかく言い過ぎるのは野暮なのかもしれません。
実仕様的な観点から言うと、マキタブランドの電動昇降機能付き運搬車の登場は結構有力だと思っています。市場には電動リフト付きの運搬車はいくつかあるものの、海外製品の商社輸入品だったり、数年で開発を辞めてサポートが打ち切られてしまったりなど、継続的に長く使うには色々と難のあるカテゴリの製品だったのですが、マキタのようなアフターサポートに強い有力なメーカーの登場はユーザーにとっての安心に繋がるでしょう。
コスパ的な点で語ってしまえば、単純な運搬作業に限れば中古軽トラが優位となってしまいますが、税金面や保管場所の都合の良さ、道路の無い敷地内や屋内でも使える点を考慮すれば十分利点のある製品だと考えられます。電動昇降の搭載によってより便利になったことは大きな利点なので、この辺りの利点を感じられるのであれば十分魅力的な製品だと言えそうです。
残念な点と言えば、40Vmaxバッテリー併用にしてくれなかった点でしょうか。いくらマキタが倉庫を増やしたと言っても、そう遠くないうちの40Vmaxモデルを出したときに在庫を圧迫する要因でしかないので、無理して40Vmaxも装着できる両対応仕様にしてもよかったと思っています。
まとめ
マキタ 充電式運搬車 CU601D/CU602D
VOLTECHNO製品評価 (4.5 / 5)
電動昇降機能搭載の充電式運搬車、18Vバッテリー×2本で動作
- 電動昇降機能を搭載
- 最大積載量300kg
- 最大速度5km/h
- 40Vmax非対応
- 電動ユニットの取外しによる相互装着不可
- CU600Dへの電動化は非対応
近日発売予定
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2022年12月発売