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2020年4月28日

電動工具の買い方選び方 徹底解説Q&A

現場道具に欠かせない電動工具。様々なメーカーや販売店で売られている電動工具ですが、どのようにして買えばよいのか分からない方も多いと思います。建築や土木業界で働く方、新生活などで家具やインテリアのDIYなどで電動工具の購入を検討している方に向けて、電動工具の買い方や選び方、メーカーや販売店の違いについて解説します。

Q. 電動工具はどこで購入できる?

A. 電動工具を購入できる販売店は「金物屋」「プロショップ」「ホームセンター」「ECサイト」など。店舗によって取扱製品や対象ユーザーが異なります。

金物屋 地域と密接な関係を持つ販売店。プロユーザー向け
小規模店舗が多く、日用品や建設資材・消耗品を幅広く扱うため、電動工具の品揃えは少ない店舗が多い。地域業者への掛け払い(請求書払い)を行っているため、現在でも電動工具の主力販売形態。メーカー営業マンが定期的に巡回している店舗であれば製品の素早い取り寄せが可能
プロショップ 工具全般を取り扱う専門店。プロユーザー向け
電動工具から手工具までプロ向け工具を幅広い製品を備えており、電動工具の取扱数は最も豊富。一部のプロショップは会員制で、一般ユーザーは購入できないことも。
ホームセンター 日用品や住宅設備を販売する小売店。DIYユーザー向け
販売する電動工具はDIYやホーム用の製品が多く、プロ向けの電動工具は取り寄せとなる店舗も多い。近年のホームセンターはプライベートブランドの電動工具を取り扱っており、DIY用としては低価格で十分な性能を持つ。大規模店舗ではプロショップと同等の取扱を行う店舗も。
ECサイト Amazon、楽天市場などを代表とするインターネット通販サイト。独自に通販サイトを運営する店舗もある(Bildy, クニモトハモノウエダ金物等)
店舗形態は様々で、地域密着型の金物屋のネット販売、プロショップの通販部門、工具メーカーによる直販など様々な形態がとられている。品揃えも豊富で実店舗より安いが、請求書払いに対応するサイトは少ない。

Q. どこのメーカーの電動工具で揃えるのがおすすめ?

A. 製品ラインナップや販売店数の多さで「マキタ」がおすすめ。実際には作業内容や周囲の環境に応じてメーカーを選びます。

現在の電動工具はバッテリーを使用した「リチウムイオンバッテリー」の充電式工具が主流です。これらの製品シリーズはメーカー毎に互換性が無いため、手持ちの電動工具はメーカー揃えて購入する方が多いです。

現在の国内電動工具メーカーのトップシェアはマキタで、製品ラインナップ・取扱店舗数・修理期間の短さなどから電動工具業界では常にユーザーに選ばれているメーカーです。

実際には作業現場の周囲の環境や作業内容・地域有力店等によって最適なメーカーは異なるため、実務で使用する場合などでは、周囲のユーザーと相談しながら決定するのがおすすめです。

マキタロゴ
マキタ
国内シェア1位の電動工具メーカー。電動工具以外にも充電式の園芸工具やクリーナーなど幅広い製品ラインナップを持つ。主力の18Vリチウムイオンシリーズは様々な充電式工具に対応。電動工具を販売する店舗は必ずと言っていいほどマキタ製品を取り扱っている。
HiKOKIロゴ
ハイコーキ
旧日立工機。ブランド変更で現在は「HiKOKI」として電動工具を開発・販売。高性能で耐久性の高い製品を販売しており、ACブラシレスやマルチボルトシリーズなど独自技術を搭載した製品を展開する。
RYOBIロゴ
RYOBI(KYOCERA)
「RYOBI」ブランドと、新たなプロ向けブランド「KYOCERA」を展開中
特に目立つ製品はないが、元会社のリョービがダイキャスト製品に強く、金属ベースを使用する丸ノコなどが高評価。ホーム用AC電源園芸工具で高いシェアを持つ
パナソニックロゴ
パナソニック
総合電機メーカー「Panasonic」の電動工具ブランド
Panasonicの電設資材の販路に電動工具が乗っており、電気工事を中心とするインフラ業界のプロユーザーに高いシェアを持つ。電設資材の施工に合わせた電動工具を販売する。新製品開発は遅いが、他社より先行した技術・コンセプトを持つ製品も多い
MAXロゴ
マックス
ホチキスなどの事務用品を販売する機械メーカーで電動工具も取り扱う。
空気工具の釘打ち機で業界1位のシェアを持つメーカーで、電動釘打ち機のピンネイラ・フィニッシュネイラなどで高いシェアを持つ。独特な製品ラインナップを揃えており、鉄筋結束機「リバータイア」「ツインタイア」等の製品も備え、型枠大工や鉄筋工など建築関連の職人に高いシェアを持つ。

Q. 「プロ向け」と「ホームセンター向け」工具の違いは?

A. 耐久性・機能性・価格などが異なります。プロ向けモデルは建築・土木関係等のプロフェッショナルユーザーへの使用を想定、ホームセンター向けモデルは日曜大工等の軽い作業が想定された製品です。

プロ向け工具 高い耐久性と高性能な電動工具で展開される電動工具。
プロユーザーの使用に長期間耐えられる仕様になっており、長時間の連続稼働や高いメンテナンス性を持つ。業界の最先端技術が搭載されており、フラッグシップモデルとして販売されている。
ホームセンター向け
(DIY向け)
DIYユーザーなどの比較的軽負荷・短時間の作業を想定している電動工具。廉価版のバッテリーや部品が搭載されており、比較的低価格。日曜大工の作業などでは十分な耐久性を持つ。故障時のメンテナンス性(修理費用含)を考えると買い替えた方が安くなる場合が多い。
近年は、ホームセンターや新興ブランドによる低価格で高品質のDIYモデルの電動工具が普及しており、有名ブランドメーカーの電動工具で無くても十分なケースも。

Q. 充電式とAC電源式は、どちらの電動工具がおすすめ?

A. 作業内容や電源環境を考えて選びます。充電式工具は非常に便利ですが、購入価格・ランニングコストが高い点に注意が必要です。

充電式工具
(コードレス式)
電動工具の主流方式。リチウムイオンバッテリーによって、大型製品以外は全て充電式に。
電動工具を動かすにはメーカー専用バッテリーが必要で、工具よりもバッテリーの方が高価な場合も多い。最近では工具以外の充電式製品も販売されており、公共空間やレジャーなど様々な場面で活用される。
AC電源式 充電式工具より低価格で高出力な製品が多い。
コストパフォーマンスに優れた製品が多いが、近年は全ての電動工具メーカーが充電式工具の開発に力を注いでいるため、構造やデザインの古い製品が多いのが欠点。
最近では安全性の観点や特殊な現場での作業の需要が増え、AC電源式工具が使用できない現場も

Q. できるだけ安く電動工具を購入するには?

A. 販売店では展示会・即売会などで購入キャンペーンを実施している場合があります。ECサイトでは稀に仕入れ値同然の格安販売を行っている場合も。

販売店では、メーカー営業担当者による展示会や即売会が実施される場合があり、製品を実際に試用したりキャンペーンなどが行われる場合もあります。ただし、単純に販売価格が安くなるわけではなく、買い替え前提の「下取りキャンペーン」や消耗品やライトのおまけがつく場合などに留まる事が多いので、必ず安くなるわけではない点に注意が必要です。

ちなみに、電動工具メーカーや販売店には「売りたい機種」「売らなければならない時期」など、製品を大量に捌きたいタイミングがあります。その時期によってはメーカーが価格や値引き幅の改定を行う場合があります。

Q. パワーが大きい電動工具は?

A. HiKOKIの「マルチボルト」とマキタの「40V MAX」が高出力の電動工具シリーズです。

現在、日本市場でもっともパワーのある電動工具シリーズは、36Vバッテリーを搭載するHiKOKIの「マルチボルト」シリーズとマキタの「40V MAX」シリーズです。ただし、従来の18Vシリーズよりもバッテリー容量が少なく、作業量を重視するユーザーには既存の18Vシリーズをお勧めします。

今後、これらのシリーズはバッテリー性能の向上が進めばAC100V式の電動工具より高い出力を持つようになりますが、現時点ではAC100V式相当の性能に留まっています。


マルチボルト
シリーズ
・18Vシリーズと端子が共通で製品ラインナップも多い
・ACアダプタのET36Aが使用可能
・対応製品数 36モデル+75モデル

40V MAX
シリーズ
・防水・防じんに対応したバッテリー
・2019年に発売されたばかりの新シリーズで製品ラインアップが少ない
・対応製品数 9モデル

Q. 一番作業量の多いバッテリーは?

A. 本体装着式のバッテリーであればHiKOKIマルチボルトバッテリー「BSL36B18」、マキタ 40V MAX「BL4040」がバッテリー単体での最大容量。

大容量バッテリーには様々な種類がありますが、現行のバッテリーシリーズで本体装着式の大容量バッテリーには、HiKOKIの「BSL36B18」とマキタ「BL4040」が販売されています。

より容量の大きなバッテリーが必要な場合は背負い式バッテリーも検討します。また、バッテリーではありませんが、HiKOKIからはバッテリーをAC電源で使用できるアダプタ「ET36A」も販売されています。


HiKOKI BSL36B18
・バッテリー容量:144Wh (18V 8.0Ah/36V 4.0Ah)
・装着バッテリー
・対応シリーズ:18V, マルチボルト36V

マキタ BL4040
・バッテリー容量 144Wh (36V 4.0Ah)
・装着バッテリー
・対応シリーズ:40V MAX

HiKOKI BL36200
・バッテリー容量 756Wh (36V 21.0Ah)
・背負い式バッテリー
・対応シリーズ:マルチボルト36V, 旧36V

マキタ PDC01
(A-69098)
・バッテリー容量:最大432Wh (18V 24Ah/18V×2 12Ah)
・背負い式バッテリー 、装着バッテリーを搭載
・対応シリーズ:18V, 18V×2

HiKOKI ET36A
・AC100V変換アダプタ
・対応シリーズ:マルチボルト36V

Q. 壊れにくい電動工具が欲しい

A. 電動工具は製品の寿命で必ず破損します。電動工具を長持ちさせるには製品仕様に余裕をもって運用し、小まめな点検と保管場所に心がけます。

電動工具は稼働するメカ機構を持つため、使用時間に応じた寿命があり、不調が生じたらメンテナンスや部品交換が必ず必要になります。

電動工具を長持ちさせるには、製品の仕様に余裕を持った運用を心掛け、過負荷や長時間の連続稼働を避ける必要があります。野ざらしや水濡れも出来るだけ避けて保管するのも重要です。

ちなみに、メーカーは公にしませんが壊れやすい製品は確実に存在します。売れ行きの製品なら修理の受付状況や評判を販売店に聞いて実状を聞いてみるのが良いかもしれません。このような故障率の高い製品はどこかのタイミングで部品変更やマイナーチェンジによる対策が人知れず行われます。

Q. 14.4Vシリーズと18Vシリーズのどちらを買えば良い?

A. 使い勝手では大きな違い無し。最近のプロ向け工具メーカーは14.4Vの新製品を作らない傾向があるので、新しく電動工具を買うなら18Vシリーズを推奨。

最近のプロ向けシリーズの電動工具だと18Vの新製品しか販売しない傾向があるので、新しく電動工具を購入し始めるのであれば18Vシリーズの電動工具をお勧めします。

40V MAXシリーズなどの高出力な電動工具も展開されていますが、製品ラインナップや今後の展開等も含めもう少し様子見の状態が続きそうです。

Q. ブラシレスとブラシモーターどちらがおすすめ?

A. 業務用途ならブラシレスモーターがおすすめ。DIYや日曜大工用途であれば、性能よりもコストパフォーマンスを重視するのがおすすめです。

ブラシレスモーター 現在主流の高性能モーター。従来のモーターよりも軽量・高出力で防水機能も搭載している。ソフトウェア制御により様々な動作モードを搭載しており、ソフトスタートやキックバック防止機能など安全面も強化されている。
モーターの駆動のために制御回路を搭載しているため、修理コストは高い。
ブラシモーター 従来型のモーター。AC電動工具ではユニバーサルモーターとして現在も主流
モーターの接点としてカーボンブラシ(CB)が搭載されており、摩耗したらブラシの交換が可能
ケースモーター ミニ四駆などでお馴染みの金属ケースで覆われたモーター。
ブラシ交換などのメンテナンスはできないが、モーターそのものの価格が安く修理費は最も安い。DIY向けのモデルなどに搭載されている。

Q. 海外メーカーの電動工具は使える?

A. 電圧の違いで動かない事も。製品事故時は輸入者の責任となりメーカー責任は無くなります。

製品的な問題では、電圧の違い点に注意が必要です。日本の電圧は100Vと世界的に低い電圧であり、海外製品の120V品や240V品では動作しない可能性があります。

Q. 互換バッテリーを購入しても大丈夫?

A. 互換バッテリーは搭載バッテリーセルの仕様や構造的な安全不足が確認されており危険。

インターネット通販サイトを中心に、純正品よりも価格の安い互換バッテリーが販売されていますが、ここ数年で火災事故が多発しており、製品評価技術基盤機構(nite)や経済産業省などが注意喚起を行っています。

容量の表記も詐称されており、PSEマークや各種安全規格なども無視されたバッテリーとして販売されているので、大きな災害の原因となりかねません。

当サイトでも、過去に互換バッテリーを購入し数度の検証を行っていますが、互換バッテリーに搭載されたバッテリーセルや保護回路に危険性があり、使用するのは推奨できないと結論付けています。

Q. 並行輸入品を購入しても大丈夫?

A. 国内サポートが受けられず、製品事故時には自己責任となります。

インターネット通販サイトでは「並行輸入品」として海外市場の製品が売られています。

これらの製品は、日本市場の消耗品と同じ規格であれば使用は可能ですが、法的には責任の所在が変わり、製品事故発生時には「輸入者の責任」となるため注意が必要です。もし発送元が国内店舗ではなく海外直送となる場合、購入者がそのまま責任を負う形となります。

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