
本記事は、株式会社マキタ及び関連会社が保有する産業財産権の情報を解説・紹介するものであり、新製品発売を保証するものではありません。株式会社マキタ及びマキタ取扱店へのお問い合わせはお控えください。
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目次
大容量18Vバッテリ BL1890 BL18120
10年ぶりにマキタ18Vシリーズの新型バッテリが発売することになりそうです。

BL1890とBL18120は、それぞれマキタ18Vバッテリの9.0Ahと12.0Ahサイズの大容量バッテリと予想され、これまでのBL1860B 6.0Ahサイズから大幅な大容量化が図られています。
現状、このバッテリの情報はブラジルの展示会でのみ確認されており、他の地域や規格認証などではまだ情報が確認出来ておらず不確実性も高いものの、早期の正式発売が期待されるマキタ18Vシリーズの期待の星とも言える製品となっています。
側面にも取っ手があるマックパック
マキタはマックパックの新型ケースを構想しているようです。

普通のマックパックは上側にしか取っ手が無いので持ち運ぶときに腕が広がってしまい少し持ち運びにくいものでしたが、今回の意匠図では側面部にも取っ手を搭載しており、普通の電動工具ケースのように持ち運べるのが特徴になっています。
連結部も既存のマックパックシリーズと同じ形状なので、連結して積み重ねる使い方にも対応してそうです。
とは言え、マキタの国内ストレージ戦略はいまいち踏ん切りがついていない状態であり、北米地域のMAKTRAKや日本では売られていないMakstorシリーズ、意匠図だけ存在しているマックパックシリーズなど、そろそろ国内市場におけるマキタストレージの方向性を決めてほしいと思うところでしょうか。
マキタ18Vバッテリ対応のUSB PDアダプタ
待ちに待ったマキタバッテリ対応のUSB PDアダプタの登場が近いのかもしれません。

個人的な要望なのですが、こういうアダプタに限らず電動工具の関連製品すべてにUSB PDを早く搭載してほしいと思っており、扇風機やラジオなど周辺機器もUSB Type-Cで動くようにしてACアダプタを排してくれないかなと思っています。
特許を見る限り、このマキタUSB PDアダプタは充電機能も搭載しているようで、2023年に発売したパナソニック EZ9ZD1のような、放電しかできないのにモバイルバッテリーよりも高価になってしまった残念感のある製品ではないようです。
ただし、USB PDモバイルバッテリーとしては普通に20,000mAhのモバイルバッテリーを購入した方がコストパフォーマンスに優れているのには注意が必要です。用途で言えば、USBでマキタバッテリを充電できる機器として見た方が良いでしょう。ただし、これくらいのサイズのUSB PDアダプタの現実的な性能は60W程度になるため、満充電時間に約2時間かかってしまう点は注意が必要です。
ちなみに、既にサードパーティー品として既に18V対応のUSB PDアダプタが販売してしまっているため、それよりは良い製品になっていることを期待したいところです。
全固体電池を想定した動作温度を広くとる構造
マキタは将来的な全固体電池を想定した特許も出願しています。

全固体電池は電解質を液体から固体に変わることで性能が向上し、特に動作温度域も広くなることが想定されている電池です。現在のリチウムイオンバッテリーの動作温度範囲は-20~60℃ですが、全固体電池ではより広い温度範囲で使えることが想定されています。
今回の特許は、全固体電池の広くなった温度領域に合わせ、バイメタルを入れて電子回路の放熱と加熱を温度に応じて切り替ることで電子回路の実質的な温度動作領域も大きくしようとする内容です。
意欲的な特許ではあるものの、全固体電池が現状の電動工具に適用できるような実用化が進んでるときには、EVや定置型の系統用蓄電池など電動工具よりも大きな市場によって解決されてしまい、電動工具のみを対象とする本特許が日の目を見ることは無いのではないかと考えています。
マキタブランドの湾曲レシプロソー
マキタブランドの湾曲ブレードが買える日も近いかもしれません。

湾曲ブレードと言えば、HiKOKI(旧日立工機)が発売する湾曲セーバーソーブレードが特徴なのですが、実は湾曲形状の特許は2019年に切れており、特許切れに伴って色々なメーカーが発売するのかなと思いつつも意外とどこのメーカーも発売せず、他に関連特許があるのかなとも思っていました。
今回の特許では、湾曲形状のブレードの隙間に硬質チップを付けたブレードであり、用途としてはダイヤモンドブレードに近い製品になると予想されます。
昨今はインフラ更新需要も無視できない状態となっているので、ダクタイル鋳鉄管などを切断できる性能があればエンジンカッタやパワーカッタなど大型の切断工具を不要にできるかもしれません。
80Vmaxパワーユニットシリーズ ランマ・プレートコンパクタ
前回紹介した、パワーユニットシリーズの80Vmax版の構想です。

製品シリーズのコンセプトとしては、汎用的なパワーユニットを付け替えることで、園芸機器から小型建設機械まで幅広い機器を動かす製品シリーズのようです。
特許内の意匠図としては、ランマとプレートコンパクタの詳細なイメージ図を記載しており、製品展開もそう遠くないのかもしれません。


前回の40Vmaxパワーユニットシリーズでは、パワーユニットの交換を想定している感じがしたので運用的に若干微妙な感じもしていたのですが、こちらの80Vmaxパワーユニットになるとそう簡単にパワーユニットを付け替えできる製品には見えないので、マキタとしては80Vmaxシリーズの開発効率と製品拡充の向上を図りたい製品シリーズと想定しています。
とは言え、ランマやコンパクタはマキタが得意としている金物屋販路で取り扱うような製品ではないため、製品の開発とともにどうやって売るかが今後の課題になると考えています。
40Vmax ガスバネ式の充電式コンクリートネイラ
前回、18Vバッテリのコンクリートネイラについて解説しましたが、40Vmaxの構想もあるようです。

基本的な構造としては18V仕様とほとんど変わっておらず、シリンダー内の空気を圧縮して打ち込みを行うガスバネ式の採用によって小型高出力のコンクリートネイラとしているようです。
前回、言及しましたが、日本の銃刀法だとガスバネ式は空気銃に該当する可能性が高いのですが、コンクリートネイラのガス燃焼式に関しては銃刀法対象外商品として認定を受けているため、マキタはコンクリートネイラの発売からガスバネ方式釘打ち機全般の規制緩和を狙っているのかもしれません。
40Vmax充電式グリースルブリケーター&背負い式グリースガン
マキタのグリースガンには18VモデルのGP180Dがありますが、それよりもさらに大きい充電式グリースガン構想があるようです。


この特許ではベール缶から直接グリスを吐出させたり、背負い式のタンクからグリスを注入する製品の構想のようで、大量のグリスを使用する場合においては重宝する製品になりそうです。
話は少し逸れてしまうのですが、マキタグリースガンは2025年3月にホースの破裂でリコールを実施しており、そのリコール情報には販売台数も記載されているのですが、国内でGP180Dが19,082台も売れていたことに結構驚いています。筆者の認識だとこの手の製品は万単位も売れる印象がなかったので、マキタ販路の強さを再認識しました。
そういう意味で、今回のグリースルブリケーターの充電式化に関しても、GP180Dでは満たせなかった整備や製造現場への販売を目指す製品になるのかもしれません。
40Vmax 充電式磁気ボール盤
マキタは40Vmaxシリーズの充電式磁気ボール盤も開発中のようです。

充電式の磁気ボール盤は選択肢が少なく、HiKOKIのマルチボルトアライアンスに参画する製品として日東工器 アトラエースか育良精機 コードレスライトボーラーの2製品が現実的な選択肢だったのですが、マキタが40Vmaxで発売を開始すれば新しい選択肢が増えることになります。
サイズとしては充電式磁気ボール盤としては大型になるようで、穴あけ性能に関してもこれまでの充電式製品よりも高くなるのかもしれません。
ちなみに、英国のHMT社と呼ばれるメーカーでは既にマキタ18Vバッテリで動作する充電式の磁気ボール盤を販売していたりします。