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2024年3月12日

マキタ 今後の新製品・販売候補製品をチェック【2023年冬編】

マキタ 今後の新製品・販売候補製品をチェック【2023年冬編】

本記事は、株式会社マキタ及び関連会社が保有する産業財産権の情報を解説・紹介するものであり、新製品発売や企業動向を保証するものではありません。株式会社マキタ及びマキタ取扱店へのお問い合わせはお控えください。

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ペルチェ素子搭載 循環式温冷ジャケット

今や夏場の現場作業に欠かせなくなった空調服の発展形となる循環式の温調ジャケットに関する特許です。

一般的な水冷服は、凍ったペットボトルや氷を補充してそれをモータポンプによって冷たい液体を循環させていますが、この方式は氷の代わりにペルチェ素子を使っているのが特徴です。ペルチェは電気を加える方向で発熱面と吸熱面を入れ替えれるので、オールシーズンで使えるジャケットとなります。

ペルチェ素子は冷やす特性を持つので期待されがちなデバイスではあるのですが、うまく活用して製品化するのに色々と困難な点も多いので、実用化に関しては五分五分と言えそうです。

昨今の類似事例としては、2023年3月ごろに発売したワークマンとパナソニック関連会社のShiftallが提携して開発した「冷暖房服 ICE×HEATERペルチェベスト」が挙げられます。こちらは現在入手の難しい製品となっていますが、結構売れたようで来年にまた生産を行うようなので、市場規模的には結構大きいのかもしれません。

充電式 電動工具向けUV除菌ケース

電動工具に付着したウイルスや細菌の除去を行うUVライト搭載の収納ケースに関する特許です。

特許内では「電動工具にもウイルスや細菌の除去に関する要望が存在する」とはありますが、電動工具の使い方の大多数はウイルスや細菌とかそういうレベルの範疇に収まらない汚れが付着するので、需要に関しては眉唾な印象があります。

また、現在の電動工具に使用しているハウジングは大半が樹脂部品なので、それを劣化させる紫外線を使った製品を出すのはどうなのか、とも思います。一応太陽光下の環境試験は行っているでしょうからそこまで問題が出るものではないのでしょうが、色々と実現性に難の在りそうな特許です。

個人的には電動工具に使用する製品ではなく、バッテリーで稼働する可搬式の普通の紫外線殺菌機として展開した方が良いと考えられます。

スタンド型集じんシステム

マキタは集じん丸ノコの新しい方式を考えているようです。

この特許は、丸ノコ本体に搭載するダストボックスを、集じん機上部に設置されたスタンドで吸い込んでしまおうとする内容です。作業者の手作業によるダストボックスの廃棄やホース連結による煩わしさが無くなるので、取り回しに優れる利点があります。

面白い特許ではあるのですが、連結部分によるタンクの大型化や集じん機を接続しないことによる集じん率の低下なども懸念され、使い勝手の面でどうなるかは未知とも言える部分があります。

これは社内レビューやモニター評価などを念入りに行わないと実用性の評価は難しくなる特許と言えそうです。

 

使用シーンのイメージ図。足元に集じん機を置いて丸ノコ集じんタンクがいっぱいになったらスタンドにおいて回収する。

工具資材収納用ラック

マキタは車載に特化した新型の収納ラックを考案しているようです。

このラックは骨組みのみで構成されたシンプルなラックで、連結や積み上げによって車載への収納に特化した製品になるようです。別途ケースを使うことで引き出し的な使い方にも対応できます。

システムストレージそのものの話となりますが、ミルウォーキーのPAKCOUTシリーズを主力とし、DeWALTのTASKやTOUGHSYSTEM 2.0などは国内販売店での陳列数を順調に増やしており、筆者もその入手性の良さに海外ブランドのシステムストレージを買ってしまおうかと考えてしまう時があります。

昨今はタジマなども精力的なシステムストレージを展開を始めており、システムストレージ市場はレッドオーシャン市場に変化しつつあります。この手のケースは店舗陳列棚の場所を取り、バッテリー以上に移行の難しいプラットフォームであるため、今から参入しても遅いのではないかとも不安の強い製品です。

 

車載時のイメージ

18Vシリーズ電動アシスト台車

マキタは新たな運搬車シリーズとして、電動アシスト台車も考案しているようです。

 

特許内では18Vバッテリー1本で動く製品仕様を想定しているようです。折りたたむことも可能で、インホイールモータ構造によって電動アシスト台車としては比較的コンパクトになりそうなので、取り回しにも優れる製品になるかもしれません

現在、電動アシスト台車は中国メーカーが数多く展開する製品であり、国内で購入できる製品はほとんどが輸入品です。価格的にもバッテリー込みで20~30万円前後の製品が多いので、本体のみ仕様で15万以下くらいの価格帯になることを期待しています。

専用のラックを装着すれば2段テーブル式の台車としても活用できる。

40Vmaxシリーズ 充電式リンサークリーナ

ついにやってきました、マキタのリンサークリーナーです。

リンサークリーナーとは専用の洗浄液を併用する布製品向けの洗浄クリーナーです。洗浄液で浮かした汚れを液体ごと吸引して汚れを除去するので、普段水洗いできない布製品のシミや汚れを落とすことができます。

最近のマキタは清掃方面の製品拡充も進めており、リンサークリーナが加わることでマキタ製品での清掃作業の幅はより大きく広がるものと考えられます。既存製品ではアイリスオーヤマが広くシェアを伸ばしていますが、コードレスかつプロ向けモデルとなれば市場が競合することもなくシェアを伸ばせるかもしれません。

個人的にも欲しいと思っていた製品なので、発売が始まったらすぐに買いたい製品です。

特許内ではバッテリー2本搭載仕様の構想もあるらしい。パワー的には40Vmaxで十分だが、80Vmaxのパワーがあっても面白い

<商標>BASICロゴ

マキタは新しい商標としてBASICと描かれたロゴを申請しています。

指定役務は、第9類  バッテリー並びにその部品及び附属品,電池,蓄電池,充電器となっており、バッテリーに関連する製品や特長を表す商標となるようです。

BASICの直訳は「基本」となり、製品的な役付けとしては最低限の構成や下位クラスなどを表すものとして扱われます。とは言え、今回の商標はBASIC以外の申請が確認できないことから、何かしらの低価格な独自バッテリーシリーズの立ち上げに伴うものかもしれません。

例えば、ミルウォーキーのREDLITHIUM™ USBのような単セルリチウムイオンバッテリーの脱着式シリーズやUSB PD対応のバッテリー内臓USB充電電動工具シリーズなどが予想されます。

そういえば、このロゴの外形はUSB Type-Cの形に似てなくもないかもしれません。 

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