屋内のインテリアから足場に使う単管パイプ、ビニールハウスの骨組みまで様々な所で使用されているのが金属製のパイプです。「金属を切断する」と考えてしまうと高価な工具を想像してしまいますが、実際は数百円の手工具でも手軽に切断することができます。
本記事では、主に内装用・装飾用パイプ・単管パイプに使う切断工具を紹介しています。
目次
金属パイプ種類も多いが工具の選択肢も多い
パイプ素材や厚みなどによる違いなどはありますが、ほとんどの金属製パイプは金属切断用の切断工具で切断が可能です。
ステンレスパイプは例外で、熱が籠りやすいため加工硬化が発生する場合もあるので注意が必要です。工具によってはステンレス用のチップソーや砥石などを使用します
金属パイプの切断を行うとバリが発生するので、バリが問題になる場合にはバリ除去の作業が必要になります。
金属用のこぎり
手軽に金属パイプを切断できる工具が金属用のこぎりです。金属用のこぎりは金属切断に適した金属素材と目立てを施したノコギリです。木工用のこぎりと目立てが異なるので、木材への切断はあまり適していません。
軽装で作業を行う場合やガス・水道工事で配管工事を行う場合に1本あると便利な手工具です。
パイプカッター
SK11 パイプカッター 切断能力 4~32mm PC-32
パイプ切断専用工具がパイプカッターです。価格も安く、細径パイプ用なら100円ショップで販売されている場合もあります。
パイプカッターはパイプ切断専用の工具で、挟み込んで少しづつ切込みを入れながら回転させることで切断を行います。パイプカッターによる切断では切断くずが発生しないため、作業場所を汚さないのも魅力的です。
バンドソー
マキタ(Makita) 充電式ポータブルバンドソー 18V6Ah バッテリ2本・充電器・ケース(バッテリ・充電器用)付 PB183DRGX
パイプを含めた長物全般の切断に最も適しているのがバンドソーです。切断スピードが速く、断面も比較的荒れにくく、粉じんが少なく作業時の音も比較的静かなのが特徴です。ポータブルタイプのバンドソーなら取り回しに優れ、施工済みパイプの解体切断も容易です。
砥石やチップソーなどの切断と異なり、熱が発生しにくく金属焼けの影響も少ないため、連続切断作業にも最適です。
バンドソーはスペックの最大切断径がそのままパイプ切断の直径上限サイズになります。径の大きいパイプを切断する場合には、より大型のバンドソーが必要です。
切断スピードに優れ高い作業性を持つのが特徴ですが、ほかの工具と比べて工具本体価格・消耗品共に高価なので対費用効果はあまり良くありません。
レシプロソー
マキタ(Makita) 充電式レシプロソー JR187DRG
設営済みパイプの解体作業などにはレシプロソーが最適です。レシプロソーで金属パイプを切断する場合には、バイメタル素材の金属切断用ブレードを使用します。
切断能力を必要とする場合にはストローク量の大きいレシプロソーを使用します。
レシプロソーは往復運動による切断のため安全性が高く、広い場所も必要としないので狭い場所での切断や施工済みの解体工事などに多用します。
レシプロソー切断での注意点としては、連続して金属パイプ切断を行った場合に、パイプが熱を持って焼きが入ってしま見ブレードの刃が急速に摩耗する場合があります。
HiKOKI(旧日立工機)から販売されている湾曲ブレードは切断時の熱を分散させる構造になっていて、刃の消耗を抑え長寿命なのが特徴です。
チップソーカッター
高儀 EARTH MAN チップソー切断機 165mm CS-100TA
チップソーカッターは鋼材切断用のチップソーを使用する事で金属パイプの切断に対応します。
定置型のチップソーカッターなら定寸切断も行いやすく、束ねた状態の切断にも対応できるので、単管を大量に切断する作業にも活躍します。
チップソーの大きさが切断可能径の大きさに制限されてしまうので、太いパイプを切断する場合にはより大きいチップソーカッターが必要となります。
チップソーカッターの切断は火花が少なく、切削くずから放熱もされるため焼けが発生し難いメリットがあります。
ディスクグラインダ
マキタ(Makita) ディスクグラインダ 高速型 100mm 9533B
ディスクグラインダーは金属切断ディスクの装着で金属切断全般に使用できます。
価格も安くて切断スピードも速く、消耗品の切断砥石も安いので、小口径のパイプ切断にはおすすめの工具です。切断時には振動やブレなどで曲がりやすいので、真っすぐ切断する場合にはグラインダースタンドなどを使うのがおすすめです
手軽に使える電動工具ですが、切断音が大きく、火花も飛び散るので周囲環境への配慮が必要になります。
高速切断機:単管切断の定番工具
HiKOKI(旧日立工機) 高速切断機 CC14SF(100V)
大型の切断砥石で切断を行うのが高速切断機です。
切断能力が高く大口径のパイプも切断可能なので、単管パイプの切断やビニールハウス組み立て時の骨組みの長さ調整などに使用されます。単管切断では最も多用されている切断工具です。
ディスクグラインダーと同じく切断砥石による切断なので、作業時には音や火花など周囲の環境に配慮する必要があります。消費電力も1000W以上のものが多いため、電源容量や継ぎコードによる電圧降下にも注意が必要です。