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2020年8月29日

タイル・陶磁器・装飾石材を切断する工具

タイル・陶磁器・装飾石材を切断する工具

タイルや陶磁器など装飾材の切断には、専用の工具やブレードを使用します。装飾に使われることが多い材料なので、綺麗に切断するには質の良い工具や作業の慣れを必要とします。

タイル・装飾用石材の切断は難しい

壁や床に使われる建築資材のタイルは、陶磁器や天然石など石材が使われています。

タイルは薄くて脆い材料なので切断時に欠けたり表面が剥がれやすく、切断作業として難しい材料に部類されます。

切断方法は2通りあり、薄型の小さいタイルの場合は切れ目を入れて割って切断、大型のタイルや天然石板の場合は切断機やカッタを使用して切断します。

電動工具でタイルを切断するときの注意点

参考:NAKAYA トルネード NK-105

床用の厚みのあるタイルや磁器質床タイルなどは、割って切断が難しいのでグラインダやカッタなどの電動工具を使用します。

電動工具で切断する場合、ダイヤモンド砥粒を使用したダイヤモンドカッターを使用します。ダイヤモンドカッターは高い切断能力を持ちますが、ディスクの価格によって切断性能や寿命もピンキリで、高い負荷で切断するとダイヤモンド砥粒が熱でグラファイト(黒鉛)に変質してしまうため注意が必要です。

また石材を電動工具で切断する場合、大量の粉塵が発生してしまうため集じん機を用意しなくてはいけません。

石材の切断時に発生する粉塵は非常に細かいため、紙パックHEPAフィルターのような目の細かい集じん機を使用しましょう。ハンディークリーナーのような簡易的な掃除機は粉じんを吸い込めないだけではなく、フィルターを素通りして内部に入り込んでしまうため厳禁です。

天然石は難切断材料、湿式切断が基本

キッチンのワークトップ(天板)や一枚板の壁材に使われる天然石板は、陶磁器タイルよりも切断が難しい材料です。一般的には専用のカッタを使用する湿式切断が採用されます。

湿式切断の場合、水の補給や工具絶縁の確保・排水の管理などが必要になるため、DIYでの切断は少し難しくなります。

湿式切断とは

切削液を使用して切断する方式。冷却を行いながら切断するため火花と摩擦の発生を抑え切断面の熱発生を抑える。乾式切断に比べ切断の切れ味自体は低下するが、砥石の摩耗は少なくなり、組織分析や硬度測定・断面解析などの組織変化や焼けを起こさない精密切断に使用する。

タイルカッター:小さなタイルを割って切断

薄いタイルに使用する工具が「タイルカッター」です。キッチンや水回りでよく使われる100mm×100mm以下の薄い陶器質タイル(Ⅲ類)を少量切断する時に使います。

基本的な使い方は、先端のケガキ刃で一直線に傷をつけて少しづつタイルを削って、最後に金槌で叩いて一気に割ります。

直線切断しかできませんが、端のタイル幅の調整や補修などに活用できる工具です。

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タイル切断機:大きなタイルを切断する専用工具

大型のタイルを素早く切断できる工具が「タイル切断機」です。

タイル切断機とは固定ベースとカッターのスライド構造で切断する据置式の切断機です。大型タイルの定型切断を効率よく行えるので、フロアタイルの施工時にはこのタイル切断機が必須です。

切断できるタイルは表面が平面なタイルに限られ、表面のごつごつしたタイルや石材は切れ目を入れられないため使用できません。

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グラインダー+ウェーブタイプダイヤモンドカッター

タイルの窓抜きや角の合わせ切断に使用するのが「グラインダーとダイヤモンドカッター」の組み合わせです。

グラインダによる石材切断は非常に効率が良く切断途中で止めることもできるので、L字形状カットや現場の合わせ切断など柔軟な切断作業に対応できる大きなメリットを持ちます。

石材切断には刃先に細かいスジ(スリット)の入った「ウェーブタイプのダイヤモンドカッター」を使用すれば切断面も綺麗に仕上げることができます。大きく切れ込みの入った「セグメントタイプ」もありますが、こちらは切断能力と寿命を重視した刃で、切断面の後処理が必要になってしまうため注意が必要です。

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カッタ+リムタイプダイヤモンドカッター

切断が難しい天然石板や仕上げ重視の切断に使用するのが「カッタとダイヤモンドカッター」の組み合わせです。

切断の原理としてはグラインダーと変わりませんが、こちらは湿式切断と「リムタイプのダイヤモンドカッター」を使用するのが特徴です。この組み合わせでは大理石・御影石などの切断が難しい材料にも対応できます。

リムタイプのダイヤモンドカッターは切れ込みやセグメントが無いので、非常に綺麗な仕上がりになりますが、冷却効果に劣るため刃に水を加えながら切断しなければなりません。また、湿式切断に対応できる電動工具も給水構造と絶縁に対応した「カッタ」を使用します。

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バンドソー+ダイヤモンドブレード

据置式のバンドソーも石材対応の「ダイアモンドブレード」を使用すれば石材の切断にも対応できます。

バンドソーは細かい切り出しが出来るので、タイルの細かい切り出しや、工芸の細工作業などにも対応できます。

バンドソーのダイヤモンドブレードは、ダイヤモンドカッターのリムタイプと同じ構造なので、湿式での切断になるため吸水アダプタが必須です。

RYOBI 「卓上バンドソー TBS-50」

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