今回紹介するのは、金属刃に分類される刈払機用ブレード『ブレードレスロータリーブレード』だ。伊藤レーシングサービス株式会社の『ブレードレスロータリーブレード』は一見すると刈払機のブレードには見えないが、その特殊な形状の中には安全性と効率を兼ね備えた合理的な性能が隠されている。
目次
刃が無くても草が刈れる「ブレードレスロータリーブレード」
草刈機に使用する刈払用のディスクには様々な種類がある。幅広い排気量で使えて切断能力が高いチップソーや、安全性と高い作業効率を持つナイロンコードが一般的だが、今回紹介する『ブレードレスロータリーブレード』はそれら2つのカッターとも異なる新しい形状の刈払ディスクだ。
『ブレードレスロータリーブレード』はチップソーのような超硬刃は取り付けられておらず、金属フィンで草を切断する刈払用ディスクになっている。
絡みにくく高い安全性が特徴
ブレードレスロータリーブレードは、立体構造によって切れ味と安全性を両立しているのが特徴だ。
この独特な構造によって刃が無くても草を刈り取れる構造となっており、草の絡みにくさと安全性を備えているのがブレードレスロータリーブレードの最大の特徴だ。
特に、超硬刃を使用していないためチップソーと比較した場合の安全性が非常に高い。実際の草刈作業ではキックバックなどでヒヤリハット経験のあるユーザーも多く、草刈機との接触事故は毎年のように発生しているため、障害物の多い場所での作業などではブレードレスロータリーブレードが有効と言えそうだ。
上から押し込んで『粉砕』できる
葛などのつる性植物は絡まりやすく密集しているので、石やフェンスなど気づかずに傷つけてしまう場合も多い。そんな場合には上からかぶせて草を「粉砕」できるG6タイプがおすすめだ。
G6タイプは切断するだけではなく、草の粉砕も可能な草刈用ブレードで、上からかぶせるように押し付ける事で草を細かく粉砕する。
切断した草を回収する時も、細かくしてゴミ箱に詰められるので、廃棄する時の作業手間も減って一石二鳥なブレードだ。
うねの際切り・根伐り・芝生に対応する幅広いラインナップ
ブレードレスロータリーブレードは、G6の他にも様々なラインナップを展開しており、全部で8種類のブレードがラインナップされている。それぞれ得意な分野が異なるため、実際の使用に合ったブレードを選ぶと良いだろう。
汎用的に使用できる「KEタイプ」
汎用的に使用できるのがKEタイプ。通常のチップソーやナイロンコードと同じ感覚で使用できる。
強度をそのままに小型にした「LSタイプ」
強度をそのままに小型化したLSタイプ。根伐りや硬い草など密集している部分に使用できる。
もっとも小型で小回りの利く「JSタイプ」
ブレードレスロータリーブレードの中で最も小型のJSタイプ。
小回りが利く形状なので、狭い場所の畑のうねや土に食い込ませて根伐りなど使用する。
芝生に最適、刃が上向きの「HK3タイプ」
刃が上向きになっているHK3タイプは芝生に適している。
接地面が滑らかでディスクを地面に当てても芝生を傷つける事がないため、作業者の負担も少なく芝生を整備できる。
立体構造で実現する刈払機用ブレードの新しい形
実際の使用感などを聞いてみると、使い勝手は概ね好評のようです。 実際にはチップソーよりも耐久性は高い製品ですが、 荒く使うユーザーも多いようで、想定していないような過酷な環境下で使われてしまい破損が多い製品とも話していました。
このブレードレスロータリーブレードは適応排気量を22~25ccのエンジンとしています。立体構造故、無理して使うとブレードが破損してしまうようです。逆に18V電動刈払機などではパワー不足になり切断能力を発揮できません。
従来のブレード行い難いような草刈り作業を行えるのがブレードレスロータリーブレードの特徴で、刈払機の作業分野を広げるブレードとして注目されます。
次の草刈シーズンではチップソーやナイロンコードを使いつぶすのではなく、ブレードレスロータリーブレードで作業の効率化とコストカットに繋げてみるのは如何でしょうか。