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2021年5月9日

刈払機の金属刃とは

刈払機の金属刃とは

金属刃はコストパフォーマンスに優れた刈刃

刈払機の金属刃とは、台金に直接刃をつけた刈刃です。

チップソー刈刃も素材的には金属刃ですが、金属刃と呼ばれる刈刃の場合は超硬チップがついていない刈刃を指します。

金属刃は刃数が少ないのが特徴で、一般的には2枚刃から8枚刃の刈刃が広く普及しています。また、特殊な用途として笹刈刃や丸鋸刃など刃数の多い金属刃もあります。

金属刃は、刃が摩耗しても刃研ぎで長く使えるのが特徴です。台金そのものが刈刃なので、刃の部分を研磨すれば切れ味をもとに戻すことができて、刃の部分が無くなるまで使い続けられます。

刈刃本体の価格も安く、長く使用できるので経済性に優れる刈刃ですが、切断能力や刃の寿命そのものに関しては超硬チップを使ったチップソーより劣ってしまうため、主に柔らかい草に対しての刈払作業に使用する刈刃です。

刈払い作業の危険性が最も高い金属刃

金属刃は経済性に優れる刈刃ですが、刈払機に使い慣れていないユーザーには不向きな刈刃です。

金属刃は刃長の長い刈刃であり、刃と刃の感覚が広く、石や砂利のような飛散物が深く入り込んでしまうため、飛散物が勢いよく飛び跳ねて作業者自身や周囲のものに被害を与えてしまうことがあります。

消費者庁が行った小石を接触させた時の実験では、4枚刃に20〜30mmの小石を当てた時、飛散距離67.8m、飛散速度は130km/hで飛散することが確認されています。

刃の少ない金属刃は硬いものに当たった時の衝撃も大きく、キックバックもほかの刈刃に比べて大きくなるため、扱いには細心の注意が必要です。

刃研ぎが行える特徴についても、上手く研がなければ重心バランスが崩れて振動が大きくなる原因になり、かえって扱いにくくなってしまうこともあります。

金属刃に適する刈払作業は、ナイロンコードカッターでも対応できることも多いので、安全性の観点からナイロンコードカッターの使用が推奨されます。

刈払機用金属刃の種類

金属刃は4枚刃と8枚刃のものがよく使われます。この2種類の刃は安全性とコストパフォーマンスのバランスに優れ、幅広い刈払機で使用できます。

チップソー刈刃に近いノコ刃・笹刃もありますが、多くの場合チップソー刈刃でも対応できるため、実際に必要とするケースは多くありません。

4枚刃より少ない刃数の金属刃については、先述した通り危険性が高く、チップソーやナイロンコードカッターなどの刈刃でも同じ作業を行うことはできるため、安全性の観点から使用は推奨されていません。

8枚刃

8枚刃は金属刃の中で使い勝手と経済性のバランスに優れている刈刃です。

刃の角度が鋭いため、柔らかい草以外にも密集した草にも対応できます。また、ある程度の硬い草に対しても対応できるのが特徴です。

切れ味もそれなりに高く低価格なので、家庭向けの電源コード式刈払機などにも採用されます。

4枚刃

4枚刃はコストパフォーマンスに優れる金属刃です。一般的に十字型形状の金属刃を4枚刃と呼びます。

左右対称の刈刃なので、裏返して装着することで長く使い続けることができます。

広範囲の柔らかい草の刈払作業に適しており、使い方次第ではチップソーやナイロンコードカッターよりもランニングコストに優れます。

笹刈刃

笹刈刃は、笹やイネ属の草に刈払対応する金属刃です。

刃数が多く鋭利な刃を搭載しているため、硬めの草に対しても効率的に刈払作業を行うことができます。

刃長も短いので石飛の心配も少なく、刃研ぎもできます。

2枚刃・3枚刃

2枚刃・3枚刃は経済性の面で最も優れている刈刃です。長い刃により、柔らかい草に対して効率よく刈払作業を行うことができます。

その一方、刃長が長く振動も大きいため、危険性も大きい刈刃です。異物に接触した時の衝撃が最も大きいので、周囲はもちろんのこと、作業者自身にも危険が及ぶ可能性があります。

実際に使用するときは、障害物や石の有無などを確認し、完全防備で作業を行う必要があります

地域によっては2枚刃の使用を禁止している地域もあるようです※。また一部の刈払機では装着を禁止を明記している製品もあります。

※2枚刃禁止を明記している市町村にご在住の方・条例を出している自治体・通達・出典元をご存じの方は情報提供をお待ちしております。

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