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2021年5月7日

充電式刈払機の特徴

充電式刈払機の特徴

充電式刈払機とはバッテリーで動く刈払機

充電式刈払機とは、充電式のバッテリーで動作する刈払機です。

刈払機と言えばエンジンを搭載するエンジン刈払機を指すものでした。しかし、最近ではリチウムイオンバッテリーの性能向上や環境意識の高まりや園芸機器メーカーの開発方針転換により、バッテリー充電式の刈払機の普及が進んでします。

充電式刈払機最大の魅力は、作業者の負担が少なく、手軽に使える点です。

バッテリーを装着するだけで始動できて、ほぼメンテナンスフリーの使い勝手の良さ、騒音や振動も少なく使い慣れていない方や女性の方でも取り回しに優れ簡単に扱うことができます。

リチウムイオンバッテリーで動作する刈払機は、性能の面ではエンジン式刈払機の完全な代わりとはならないものの、技術革新により性能向上が日々進んでおり、セミプロ用途の刈払作業であれば十分な作業ができるほどの実力を備えています。

エンジン機器に不慣れな方ほど充電式がおすすめ

エンジンと聞けば自動車のように手軽に使えるイメージがありますが、刈払機のような園芸機器に搭載するエンジンは、車のエンジンのように楽に使えるわけではありません。

燃料補給一つとっても、混合燃料の作成や燃料管理の手間があり、いざエンジン始動を始動しようとしても、チョークやプライミングポンプなどの操作も必要で、正しい手順でもエンジンが始動しないなどさまざまなトラブルがつきまといます。

その点、充電式刈払機はスイッチ一つで動作し、振動や騒音も少ないので、気兼ねなく手軽に刈払い作業を進めることが出来ます。

コスト面ではまだまだ厳しい面も

エンジン式にはない使い勝手の良さが魅力の充電式刈払機ですが、コストに関してはまだまだエンジン式と同等とは言えません。

刈払機本体の価格は充電式もエンジン式も大きな価格差はありませんが、充電式刈払機だとバッテリーや充電器などのコストが上乗せされます。

充電式刈払機をエンジン式と同じように運用することを考えると、大容量バッテリーや予備バッテリーが必要になり、それだけで4〜5万円の追加出費になることも珍しくありません。

バッテリー充電の電気代はガソリンよりも低コストなので、ランニングコストの面では優れていますが、肝心のバッテリーが1,000サイクル程で寿命になるため、使い続ければバッテリーの買い替え費用も発生します。

高容量バッテリーを買い増しするほど総合的なコストパフォーマンスは悪くなるため、充電式刈払機を選ぶ場合は実際の作業量やバッテリーの価格を考えて、予算と相談しながら選ぶのがおすすめです。

充電式ガソリン式
参考製品マキタ MUR005GRM共立SRE3200
本体費86,900円90,200円
バッテリー付属
充電器付属
予備バッテリー27,200円 
背負式バッテリー198,000円

充電式刈払機の出力と用途について

エンジン刈払機の出力は排気量、電源コード式刈払機の出力は消費電力で表されますが、充電式刈払機は出力の目安となる排気量やモータ出力の仕様値が開示されていません。

実際の充電式刈払機の出力の目安は、メーカーが公表しているカタログや仕様値から読み取るしかありません。

充電式刈払機は14.4Vや36Vなどさまざまな電圧のバリエーションがあり、一般的には電圧が高くなるほど高出力で持続時間に優れる製品が展開されています。

画像引用:丸山製作所カタログ

10.8Vバッテリー

バッテリーが小さく軽量なのが特徴です。電圧が低いため本格的な刈払作業には向きませんが、DIYでの庭先管理やほかの充電式電動工具と使い回した手軽さが魅力です。

14.4Vバッテリー

家庭向けモデルやホームセンターのプライベートブランドに多く見られるバッテリーです。パワーはそれなりにありますが、本格的な刈払作業に対しては力不足です。

18Vバッテリー

家庭向けからプロ向けグレードまで幅広く採用されているのが18Vバッテリーです。エンジン式の20〜25ccクラスに相当します。

プロ向けグレードの刈払機であればある程度の刈払機作業をこなすこともできますが、エンジン式刈払機の代わりとするのは難しいクラスです。

36V〜バッテリー

36Vを超える電圧になるとエンジン式相当で23〜30ccの排気量相当の出力を搭載し、プロ向け用途にも十分耐えうる高出力性能を備えます。

充電式刈払機としては最も実用的なクラスですが、バッテリー容量の関係上、連続作業には向かず、広大な面積の刈払作業には予備バッテリーや多口充電器、背負式バッテリーなどのアクセサリで容量を補う必要があります。

エンジン式刈払機相当に使用するには背負い式バッテリーが必要

出力性能では最大3kWもの超高出力でエンジンに匹敵する刈払機も可能になりましたが、肝心のバッテリー容量に大きな進歩がなく、連続作業性の面では未だエンジン式に及びません。

充電式草刈機でガソリン燃料のような連続使用時間を確保するには、背負い式の大型バッテリーが必要です。

2021年時点で背負い式の大型バッテリーを展開しているメーカーはマキタ・HiKOKIの2社です。現在も精力的に背負い式バッテリーの開発を続けているのはマキタのみです。

エンジン式の置き換えが進む充電式刈払機

リチウムイオンバッテリーを搭載する刈払機は10年以上前から販売されている製品です。

当初は低出力で家庭向けに留まっていた製品でしたが、最近はリチウムイオンバッテリーの性能向上やモーター出力の向上によって、エンジン刈払機にも劣らない性能を持つまでに至っています。

コストの面も考えると充電式刈払機は手軽に使えるちょい使いの用途を抜け切れていませんが、今後、バッテリー容量の問題が改善されれば一気にエンジン式からの置き換えが進むと予想されます。

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