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混合燃料とは?
混合燃料とは、ガソリンに2ストロークエンジン用オイルを混合した燃料です。
2ストロークエンジンは、エンジンオイルを配合した混合燃料で燃焼室内で潤滑と燃焼を同時に行うエンジンなので、必ず混合燃料を使用しなければなりません。
4ストロークエンジンに混合燃料は不要
刈払機などの園芸機器に用いられるエンジンには、小型・高出力性能が求められるため2ストロークエンジンが広く採用されています。
しかし、一部の刈払機では4ストロークエンジンを採用している製品もあり、それらの4ストロークエンジン刈払機に対してはガソリン燃料をそのまま使用できます。
アルコール混入燃料は厳禁
近年は環境問題意識の高まりによって、バイオエタノールを配合したバイオ燃料も一部で流通しています。
これらアルコール含有燃料は、ゴム部品を劣化させたりエンジン・燃料系を損傷する原因になり、刈払機の取扱説明書で使用禁止を明記している製品もあります。
バイオガソリン(バイオETBE配合)などの燃料を刈払機に使用するのは避けましょう。
混合燃料の作り方
混合燃料を作るには以下の道具が必要です。これらの道具はホームセンターや農機取扱店で購入できます。
- ガソリン携行缶
- 混合燃料タンク
- 2ストロークエンジンオイル
1. ガソリンを購入する
最初にガソリンスタンドでガソリンを購入しましょう。車やバイクのタンクから抜くのは厳禁です。
ガソリンスタンドでガソリンを購入するには、ガソリンを持ち運ぶ専用容器の「ガソリン携行缶(危険物保安技術協会 試験適合証品)」が必要です。
セルフ式のガソリンスタンドの場合、自分で携行缶に給油することはできません。従業員に給油を依頼するか、フルサービス型のガソリンスタンドでガソリンを給油してもらう必要があります。
また、ガソリン携行缶を使ったガソリン購入では、令和元年12月に危険物の規制に関する規則が改正され(令和元年総務省令第67号)、「本人確認(身分証明証)」と「使用目的の確認」の提示も必要になりました。
ガソリンの容器詰替え販売における本人確認等について|総務省消防庁
2. 機器に必要な混合比を確認する
製品によってオイルの混合比率は異なります。50:1や25:1の配合比が一般的ですが、取扱説明書を確認して製品ごとの適切な配合比で混合燃料を作成しましょう。
混合比率が濃くなるとオイルが完全燃焼せず煤となって排気管に堆積する原因になり、逆に混合比が薄い場合は潤滑能力が足りず、ピストンの焼きつきやクランクベアリングの摩耗などのリスクにもつながります。
可能であれば混合燃料にはメーカー純正オイルを使用し、指定の混合比を守るようにしましょう。
3. 混合計量タンクに必要な量のオイル・ガソリンを配合する
混合比を確認したら、その混合比率に従って混合燃料を作成します。
混合燃料の作成には、混合燃料を作るための「混合計量タンク」を使用するのがおすすめです。
混合計量タンクは、目盛りに従ってガソリン・オイルを入れるだけで適切な配合比の混合燃料を簡単・確実に作ることができるタンクです。
4. 混合燃料は金属缶に入れて保管する
ガソリンは揮発性の高い燃料で、わずかな火源でも爆発する危険性があります。
作成した混合燃料についても例外ではありません。安全のため、計量配合タンクにそのまま燃料入れておくのではなく、ガソリン携行缶に入れてから保管・輸送するようにしましょう。
また、ガソリンを入れた携行缶でも、金属製の棚や床面などの静電気を地面に逃すことができる場所に設置するようにします。
混合燃料は使いきる量だけ作る
ガソリンは不純物の混入や酸化・揮発によって劣化しやすい燃料です。
刈払機のエンジンは車のエンジンほど始動性に優れているわけではありません。燃料の詰まりや異物の混入によって簡単に始動しなくなってしまいます。
一度始動しなくなったエンジンを修理するにはキャブレターの交換や各部品の調整など時間やコストがかかります。このようなトラブルを未然に防ぐためにも、必要とする分だけ燃料を作るようにしましょう。
少量の使用であれば、初めからオイルが混合された状態で販売されている混合ガソリンを使用するのもおすすめです。