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エンジン式刈払機の特徴
刈払機と言えば、エンジンを搭載するエンジン刈払機です。エンジン刈払機はガソリンを燃料として動作するため、運転時間が長くパワーも大きいのが特徴です。
エンジン刈払機は、バッテリーや充電器などのコストがかからないので購入時のコストも安く、初期費用を抑えたい方にもおすすめです。
広い土地の刈払作業を行う場合にはエンジン式の刈払機一択です。
エンジン式の刈払機は排気量が大きいほどパワーが大きくなります。荒れ地や山林の管理など草木が硬く密集している場所であるほど排気量が大きいエンジン刈払機が必要になります。
エンジン式の排気量と用途について
エンジン刈払機の出力は排気量で表されます。排気量が大きくなるほど刈払機のパワーが大きくなり、より太く硬い草木への刈払作業に対応できるようになります。
刈払機は20~30ccの排気量クラス分けされていて、それぞれ用途が異なります。
排気量が大きくなるほどパワーが向上して作業効率も良くなりますが、その分重量や騒音が大きくなり、取り回しも悪くなります。作業場所や刈払いを行う草木に応じて、適した排気量の製品を選ぶと良いでしょう。
20~22ccクラス
軽くて取り回しに優れたクラスです。エンジン刈払機の入門機としておすすめのクラスですが、パワーは弱く、道端の雑草の刈払いやあぜ道の整備などに使用します。
23~25ccクラス
パワーと可搬性に優れた使い勝手の良いクラスです。パワーもそれなりにあるため、20ccクラスの刈払機よりも快適に作業を行えます。
広範囲の土手の刈払い作業やイネ科のような固く密集した雑草の刈払作業に対してはパワー不足を感じることもあります。
26~29ccクラス
業務向けとして使用される高出力クラスです。河川敷の整備から農地管理など幅広い用途で活躍します。
ナイロンコードカッタを安定して使用できるのはこのクラスです。
30cc~クラス
パワーに優れた超高出力クラスです。生い茂ったイネ科から笹・竹の刈払い作業にも対応できます。
刈払機能力はトップクラスですが、刈払機本体の重量が重く、振動も強くて取り回しが悪いので上手く使うにはコツと慣れが必要です。
このクラスは充電式の刈払機では対応しきれないため、エンジン式刈払機独壇場のクラスです。
エンジン刈払機の2ストローク式と4ストローク式の違い
エンジン刈払機のエンジンには、2ストロークエンジンと4ストロークエンジンの2種類の方式があります。
それぞれの特徴は、2サイクルは燃費が悪いもののパワーが強く、4ストロークは重量がある分燃費に優れています。
2ストローク(2サイクル)エンジン刈払機の特徴
2ストロークエンジンを搭載する刈払機は、パワーが強く、エンジンそのものもシンプルな構造なのでメンテナンス性に優れるメリットがあります。
エンジン刈払機として主流のエンジン方式ですが、排ガスが4ストローク方式よりも多く、近年の排ガス規制基準の影響によって始動性やパワー面で昔より使い勝手が悪くなっていると言われています。
2ストロークエンジンの刈払機には混合燃料を使用します。
混合燃料とは、2ストロークエンジン用のエンジンオイルを配合したガソリン燃料のことで、ガソリンに対しオイル比率25:1から50:1の割合で配合されています。
ホームセンターなどでは初めからオイルを混合した混合燃料が販売されていますが、ガソリンから混合燃料を作るのに比べ燃料コストが5~10倍程度高く、混合燃料を自分で作る場合でも手間がかかるため運用面ではあまり良くありません。
4ストローク(4サイクル)エンジン刈払機特徴
4ストロークエンジンは自動車に搭載されているエンジンと同じ方式です。
4ストロークエンジンは2ストエンジンに比べ静音性と燃費に優れ、排気ガスがクリーンな特徴を持ちます。燃料もガソリンをそのまま使用できるので、使い勝手に優れるメリットがあります。
ただし、高出力時の瞬発性は2ストエンジン程ではなく、パワーも若干劣る傾向があります。また、耐久性には優れますが4ストエンジンの構造は複雑でメンテナンス性が良くない欠点もあります。
エンジン式刈払機の今後
刈払機は、エンジン式が主流ですが、排ガス規制によって性能とクリーンな排ガスを両立することが難しくなっています。
一時期は排ガス規制への対応として4サイクルエンジンの刈払機が注目された時期もありましたが、昨今はリチウムイオンバッテリーの性能向上により、各メーカーは充電式刈払機の開発にシフトしています。
それでもガソリン燃料の優位性は大きく、現在も連続稼働時間や出力の関係上、エンジンの刈払機時代はもうしばらく続きます。しかし、バッテリー技術の進歩によって徐々にエンジン式から充電式に移行していくと考えられます。