コンクリートは石材に分類される材料で、身近な所ではコンクリートブロックや染色コンクリートなど構造材から装飾まで様々なところで多用されています。
※本記事ではコンクリート板やコンクリートブロックの切断を対象にしており、コンクリート構造物や鉄筋コンクリート、コンクリート床等の切断作業は対象外としています。
目次
コンクリートの切断は、割るか削るか
コンクリートは石材に分類される材料なので、石材切断用の工具で切断できます。
コンクリートを含む石材材料は、切断する数が少なければ割って切断する方法が一般的です。割って大まかな切断してから、ハンマーやノミなどで軽くはつって目的の形に整えます。
コンクリートは切断が難しい材料なので、切断数が多かったり大型のコンクリート材を切ったりする場合には電動工具とコンクリート専用ブレードを使用します。
コンクリート切断で最も手軽な切断工具はディスクグラインダーですが、粉じんが大量に舞って周囲にまき散らしてしまうため、粉じんを回収するアクセサリの装着が必須です。
また電動工具のコンクリート切断は工具本体に高い負荷がかかり、作業者や周辺へ危険性も高いため、入念な準備が必要です。解体を伴うような大掛かりな切断を行う場合は、専門業者による作業を推奨します。
カットチゼル
モクバ カットチゼル 90MM
レンガ程度の厚さのコンクリート板やコンクリートブロックなどであれば、タガネやチゼルを使って切れ目を入れながら割る方法で切断できます。この方法は施工前のバラ状態のブロックを切断するのに適しています。
飛散する粉じんも少なく、切断も比較的早く安全に切断できる方法ですが、切断面が荒くなってしまうため切断の後にはハツリや研磨などで整える必要があります。
石切用ノコギリ
フナソー 石切鋸 レンガ・ブロック・硬質ゴム切断用
株式会社フナソーからはコンクリートを切断できるノコギリが販売されています。
ただし手ノコでの石材切断はあまり効率が良くありません、石材の種類によっては切れない場合もあるので。手作業にこだわらないのであれば電動工具での切断を推奨します。
ディスクグラインダ
ダイヤモンドカッターなどのコンクリート切断対応のディスクを装着すればコンクリートも切断できます。
価格や用途・作業性・ランニングコストなどを含めて、コンクリート切断はディスクグラインダーを使うのが一般的です。
ダイヤモンドカッターには切断速度と切断面荒さに応じて「ウェーブ」「セグメント」「リム」の3の形状があります。ウェーブは比較的綺麗な切断面になり、セグメントは切断速度が速いものの切断面が荒くなります。リムは水を掛けながら使用する湿式切断で使用するのが一般的です。
グラインダーを使った石材切断では粉じんが大量に発生するので、周囲への飛散を防止するために連動集じん機などを使用します。
カッタ
HiKOKI(旧日立工機) カッター ダイヤモンドカッター外径110~125mm 乾湿両用 刃別売り 本体のみ CM4(N)
石材切断用の電動工具がカッタです、元々は大理石やタイルなど内装用の石材切断に使用する工具ですが、コンクリート切断に対応するダイヤモンドカッターに付け替えることでコンクリート切断にも対応します。
チップソーカッターと似た形状の電動工具ですが、モーターはディスクグラインダーに近い特性を持っていて、同サイズのチップソーカッターより回転数が高いのを特徴です。
乾湿両用に対応した製品もあり、湿式での切断を行うことができます。
レシプロソー
コンクリート切断用のブレードを装着すればレシプロソーでもコンクリートを切断できます。回転系の工具よりも安全にコンクリートを切断できますが、切断性能は回転系の電動工具より大きく劣ります。
コンクリート構造物の解体作業ではレシプロソーよりハンマを使って撤去する機会の方が多いため、レシプロソーでコンクリートの切断を行うことはほとんどありません。
レシプロソーによる石材切断は切断スピードが遅く時間もかかるため、ストローク量が大きく高出力のレシプロソーを使用するのがおすすめです。
エンジンカッター
大きな石材の切断には、高い切断能力を持つエンジンカッターを使います。
エンジンカッターは、エンジン動力の高い切断能力と電源不要の可搬性を兼ね備えた切断工具です。電源が不要で高出力な切断能力を備えているため、アスファルト切断など屋外での幅広い切断作業に用いられる切断工具です。
コンクリートの切断は防じんマスク装着が必須
コンクリートの切断時にはコンクリートの細かい粉じんが大量に舞ってしまうため、その粉じんの吸い込みによって塵肺を発症する場合があります。
塵肺とは粉じんを吸い込むことにより発症する肺線維症や気管支炎などの総称です。一度発症すると根治は難しい病なので、コンクリート粉を吸い込まないように必ず防じんマスクを装着しましょう。