塩ビパイプなどを代表とするプラスチックパイプは安価で耐久性に優れて軽量な材料です。水道管の施工を中心にさまざまな所で使用され、最近では手軽に入手できる入手性からDIYで作るパイプ家具なども注目されています。
プラスチックの切断は切断工具なら幅広く対応できmすが、パイプ切断には「真っすぐに切れる」「切断面が綺麗」などが求められます。
目次
塩ビパイプは切断工具が豊富、切断径や用途で使い分け
塩化ビニルを素材とするプラスチックパイプは、樹脂切断に対応する工具なら何の工具を使用しても問題ありませんが、パイプに使われる用途を考えると「真っすぐに切れる」「切断面が綺麗」などが求められます。
水道配管に多用される塩ビ管の切断時にはの切りクズがストレーナに詰まって水の出(排出)が悪くなったり、異物が挟まって弁が閉じなくなるなど、切断時の異物が詰まるなどのトラブルが起こりやすいので注意が必要です。
また、切断作業時にもトラブルが起こりやすく、冬場の寒い時期など塩ビ管の弾性が失われて切断中に割れてしまう場合もあるので、作業環境に応じて適切な切断工具を使用します。
エンビカッター
塩ビパイプ専用の切断工具がエンビカッターです。
大型のカッターをラチェット機構で食い込ませて切断するので、動力不要の工具でも素早い切断が可能です。
切り口が真っすぐになり切断面も奇麗なのが特徴でΦ60mmくらいまでのパイプ切断にも対応します。樹脂パイプ切断工具としてはコストと作業性のバランスが最も優れています。
刃を食い込ませて切断するので温度の影響を強く受けてしまうのが欠点です。12月~2月の寒冬期には「パイプを温めながら切断」などの対応が必要になります。
プラスチック用のこぎり
のこぎりにはプラスチック用に刃を目立てた製品があります。
ゼットソーからはパイプソーとしてプラスチックパイプ切断専用ののこぎりが販売されています。あさりのないタイプも展開されていて(ゼットソー パイプソーフラット等)、床の高さに合わせた切断にも対応します。
切断時に熱が発生しないので変形する心配はありませんが、真っすぐ切断するには慣れやガイドが必要になります。
パイプカッター
SK11 パイプカッター 切断能力 4~32mm PC-32
パイプカッターはパイプ全般の切断に使用する工具です。
パイプカッターによる切断は切断くずが少なく作業時の切断音も無音なので、環境を選ばずに使用できる利点があります。
パイプカッター本体を回しながら切断するので、大口径のパイプには向いておらず、肉厚のパイプ切断にパイプカッターを使うと時間がかかるため、細径薄肉のパイプに使用するのが最適です。
バンドソー
マキタ(Makita) 充電式ポータブルバンドソー 18V バッテリ・充電器・ケース別売 PB181DZ
長物の切断に最適なのがバンドソーです。切断スピードが速くて断面も荒れにくく、粉じんが少なく作業時の静音性に優れているのも特徴です。ポータブルタイプのバンドソーなら施工済みパイプの解体切断にも最適です。
バンドソーは輪切り以外の切断が不可能なので、スペックの最大切断径がパイプ切断の直径上限サイズを表します。径の大きいパイプを切断する場合にはより大型のバンドソーが必要です。
パイプ切断には最も適している電動工具ですが、他の工具と比べて工具本体価格・消耗品共に高価なのでコストパフォーマンスはあまりは良くありません。
レシプロソー
マキタ(Makita) 充電式レシプロソー 18V 3.0Ah 本体のみ JR184DZ
設備の解体作業などにはレシプロソーが多用されます。レシプロソーでプラスチックパイプを切断する場合には、プラスチック用の樹脂ブレードを装着します。
レシプロソーはのこ刃自体の高さも低く切断スピードも速いので、狭い場所の切断に適していて解体からリフォーム作業など幅広く使用できます。
チップソーカッター
新ダイワ 小型切断機307mmチップソーカッター 低速型 LA305-3057 【1169572】
樹脂切断用のチップソーを装着すればチップソーカッターでも塩ビパイプ切断に対応します。
定置型のチップソーカッターなら同じ長さで切断を行う定寸切断が行いやすく、束ねた状態で切断する事ができるので、大量に切断する作業に最適です。
チップソーカッターの大きさが切断可能径の大きさに制限されてしまうので、太いパイプを切断する場合にはより大きいチップソーカッターが必要です。
集じん機接続もできるので、切断くずが飛散させずに使うこともできます。
ディスクグラインダー
マキタ(Makita) ディスクグラインダ 高速型 100mm 9533B
ディスクグラインダーでも塩ビ・プラスチック・FRP切断用のディスクを装着すれば樹脂切断全般に対応できます。
かつらむきのようにパイプを回しながら切断するので、ディスク径による最大切断可能径に制限がないのが特徴です。真っすぐ切断する場合には塩ビ管切断アタッチメントなどを使用します。
切断時の切断くずは粉状となって散りやすいので、作業時には集じん機の接続やマスクなどの装着が必須です。
VP管のような肉厚塩ビ管の切断では、摩擦熱で樹脂が溶けて切り口が変形する場合もあるので、回転数を調整できる変速機能搭載グラインダーを使用するのがおすすめです。
冬場など湿度の低い環境では切断時の摩擦で静電気が発生しやすく、充電式のグラインダーや二重絶縁工具では激しく静電気が発生する傾向があります。
三京ダイヤモンド 塩ビカッター美楽
ディスクグラインダーの塩ビ用ディスクの最新モデルが、三京ダイヤモンドのオフセット型塩ビカッター 美楽(BIGAKU)です。
オフセット形状によってツライチ切断に対応しており、現場の合わせ切断にも簡単に対応でき、切断形状が見やすく精度の高い作業を行うことが出来ます。
側面にもダイヤモンド砥粒が電着されており、面の研磨にも対応しています。切断した塩ビ管の面取り作業にも対応できるので、これ一枚で幅広い作業に対応できます。