
工具・現場用品を販売するビルディ株式会社(本社:鹿児島県鹿児島市)は、2026年6月にDCK 40V MAX 充電式インパクトレンチ KDPB1718を発売する。最大締付トルク1,718N.m、最大緩めトルク2,000N.mの高出力を実現しており、操作パネルには締め付けトルクを確認できるディスプレイを備える。本体希望小売価格は43,000円(税抜)
DCK 充電式インパクトレンチ KDPB1718
工具・現場用品を販売するビルディ株式会社は、2026年6月にDCK 40V MAX 充電式インパクトレンチ KDPB1718を発売します。

KDPB1718は、DCKの新型バッテリープラットフォーム 40V MAXシリーズに対応する充電式のインパクトレンチです。
19sqのソケットを備えた最大締付トルク1,718N.m、最大緩めトルク2,000N.mの高出力を実現するモデルで、大型車両のタイヤ取り付けや錆びついたボルトナットの緩め作業も効率的に行える仕様を備えています。
ボルトの締めすぎや脱落を防止するスマートボルトモードを搭載しており、操作パネルのディスプレイには締結中の締付トルクの表示や締結本数のカウンタ機能など独自機能も搭載しています。
販売仕様は、バッテリ・充電器セット KDPB1718(EK)と本体のみのKDPB1718(Z)で販売します。
- KDPB1718(EK) バッテリ・充電器セット 希望小売価格83,300円(税抜)
製品仕様
| 製品名 | DCK 40V 充電式 インパクトレンチ KDPB1718 |
|---|---|
| 外観 | KDPB1718 |
| メーカー | DCK |
| 製品カテゴリ | インパクトレンチ |
| 本体電源 | バッテリー / 36 V / DCK HPT 40V MAX |
| 発売日 | 2026年7月 |
| 最大締付トルク | 1,718 N·mH:1,718N.mM:1,300N.mL:900N.m |
| 最大緩めトルク | 2,000 N·m |
| ソケット差込角 | 19 mm |
| 普通ボルト締付能力 | M12~M36 |
| 最大無負荷回転数 | 1,800 min⁻¹ |
| 回転数(モード別・範囲) | L:0~1,100回転/分M:0~1,500回転/分H:0~1,800回転/分 |
| 最大打撃数 | 2,500 min⁻¹ |
| 打撃数(モード別・範囲) | L:0~1,800回/分M:0~2,200回/分H:0~2,500回/分 |
| 自動停止機能 | ありスマートボルトモード |
| モータ方式 | ブラシレスモータ |
| 1充電あたりの作業量(条件別) | M24ボルト:最大約380本を締付・緩め可能(4.0Ahバッテリ使用時) |
| 質量 | 4.2 kg |
製品の特徴
「36V動作の最大締付トルク1,718N・m充電式インパクトレンチ」

KDPB1718は、19sqのソケットを備える最大締付トルク1,718N.m、最大緩めトルク2,000N.mの充電式インパクトレンチです。
高トルクを活かしたハイパワーによって重負荷な締付け・緩め作業に対応でき、大型車両のタイヤ取り付けや錆びついたボルトナットの緩め作業も効率的に行える製品仕様を備えています。

操作パネルのN・mトルク表示の挙動を確認
KDPB1718のDCK公式ページには書かれていませんが、このインパクトレンチには電動工具として珍しい液晶ディスプレイが搭載されています。

この液晶ディスプレイは、N・mの単位の締付トルク値を表示する機能が搭載されており、締結作業を行いながら締め付けトルクも計測できる、インパクトレンチとしては業界初の機能が搭載されています。
早速、この未知の機能がどのように動作するのか確認するべく、7年前に作るだけ作って放置していたインパクトレンチ用締結検証鋼板を引っ張り出して、実際に締結作業を行ってみることにしました。

実際に締結トルクを行う場合、ボルトが共回りしてしまうとトルクが逃げてしまうため、反対側から共回り防止用のレンチを嚙ませておきます。

今回の締結検証では、M20(F10T)ボルトを使用しています。M20高力ボルトの場合、本締めトルクは約500N・mになり、KDPB1718だとLモードでも900N・m出てしまうため、ちょっとボルト選定を誤った感はあるのですが、とりあえずトルク表示の挙動だけ見たいのでこのまま締結を行ってみます。
と言う訳で、さっそく締付けてみます。

実際に締結を行ってみたところ、トリガーを最大まで引いて打撃が始まったタイミングで、打撃とともにトルク表示が増えていく仕様になっているようでした。

この挙動から推測すると、KDPB1718のトルク表示は打撃発生時のタイミングをトリガーとして、モータの電流波形を何らかの形でトルク値に積算して、それを打撃回数で加算して液晶ディスプレイに表示しているものと想定されます。
そういう点では、ボルト締結におけるトルク法は軸力に対しての換算値のような扱いであり、KDPB1718はモータ電流負荷をトルク値としてさらに換算していることになるため、表示の数値としては参考程度ものと言えるのかもしれません。
とは言え、同じボルトで何度か締結を行っていると、締結した回数に応じてトルクの最大値が低く表示される現象も確認できました。
これは、M20高力ボルトに対して高すぎる締結トルクを続けたために、ボルトの塑性域の極大値を超えて締結トルクが上がらない状態に至ったものと考えられます。つまり、KDPB1718のトルク表示機能は打撃回数をトルク換算する単純なものではない、という事なのかもしれません。

製品を分解してDVR振動低減技術とトルク表示の原理を見てみる
KDPB1718の外観で少し気になったのが、ハンマケースとトリガー部分の間にある黒いエラストマです。

このインパクトレンチにはDVR振動低減技術と呼ばれる振動低減技術を搭載しており、実際に締結を使った時もサイズにしては振動が少ないなと思っていました。
つまり、このDVR振動低減技術とは、ハウジングのエラストマで振動部を分離する構造ではないか?と考えました。
と言うわけで、実際にグリップ部のハウジングを開けて、防振構造がどうなっているか見てみます。

実際の中身を見てみたところ、ハウジングのエラストマで防振構造になっていたわけではありませんでしたが、ゴムリングでハンマケース+モータとトリガー部が分離する構造になっていました。

外した側のハウジングを見てみると、トリガー側のハウジングでモータとハンマケースを保持している側のハウジングをゴム経由で押さえつけて保持しており、打撃時の振動が直接グリップ部に伝わらないような構造になっています。

この構造は結構興味ものがあります。例えば、1,000N・mクラスの充電式インパクトレンチだとバッテリーの端子が振動で壊れてしまうこともあり、バッテリー装着部への振動を緩和する防振構造を入れるのが一般的です。(画像参考 HiKOKI WR36DF展開図)

KDPB1718では、この防振構造をバッテリー装着部ではなくトリガー部の上側に実装することで、作業者の手に伝わる振動を抑える構造になっているようでした。
分解したついでに、コントローラも見てみましょう。

FETがコントローラ側に実装されている構造でした。この方式の場合、モータの送風による冷却が期待できないので、連続稼働的にはちょっと不利になるかもしれません。
モータへの配線を見てみると、電源ラインが3本のみで、他の制御ラインもないためセンサレス方式のようでした。

40V MAX充電器は20V MAXバッテリーを充電できる
次は、40V MAXシリーズの充電器とバッテリーを見ていきます。

充電器 FFCL4060-03は36V-6Aの充電仕様を備えており、これを18Vバッテリーに換算すれば、マキタやHiKOKIの最新充電器と同じ18V-12A仕様の充電能力を持っていることになります。
そういう点では、DCK 40V MAXのバッテリー性能は名実ともに、国内有力電動工具の36Vシリーズと同じ実力を持っていると言えるのかもしれません。
さて、個人的にDCK 40V MAXシリーズで驚いたのが、DCK 20Vバッテリーとの比較です。

こうして見るとわかる通り、DCKの40V MAXと20Vはほぼ同じ端子形状になっています。違いとしては、接点側にノブがあるかないかだけです。
話は充電器に戻り、FFCL4060-03には20Vのバッテリーがそのまま刺さる仕様になっています。

充電器が共通で使用できるのは全くの予想外で、かなりの良ポイントではないでしょうか。
一応ですが、40V MAXバッテリーと20Vバッテリーには工具側での相互装着は出来ないので注意が必要です。HiKOKI マルチボルトのようにバッテリーによる電圧切り替え機能はありません。
あとは色々と細かいところ
あとは、KDPB1718の色々と細かいところを見ていきましょう。
操作パネル部にはボタンがあり、これを押すとL/M/Hのモード切替、長押しするとスマートボルトモードの切り替えができます。

LEDは下から照らす構造になっています。このLEDはトリガー連動でトリガーを離してから3秒経過後に自動消灯します。ON/OFFを任意で切り替えられないのは残念です。

バッテリー装着部にはフックを取り付ける穴は開いていますが、フックは付属していません。

フックはDCK公式にも取り扱いが無いようなので、金具を加工して自分で作らなければいけないようです。
ヘッド部の全長はだいたい215mmです。クラスとしては平均的なサイズです。

他社充電式インパクトレンチ 1,500N・mクラスとの比較
充電式インパクトレンチで締付トルク1,500N・mクラスの他社製品としては、HiKOKI WR36DF・ミルウォーキー M18 FHIW2F12・ボッシュ GDS18V-1600HCが挙げられます。



性能的には僅かな締付けトルクの差異はありますが、公式値として最も締付けトルクが高いのはDCK KDPB1718となっています。その一方で、緩めトルクは最も低くなっています。とは言え、この辺りは誤差のようなものなので余り気にする必要はありません。
差異がある部分としては、インパクトレンチそのものの性能よりも付加機能の部分になると思います。
例えば、DCK KDPB1718はトルク表示と防振機能が強く、HiKOKI WR36DFとボッシュ GDS18V-1600HCはBluetooth通信によるカスタム、ミルウォーキー M18 FHIW2F12はクラスで唯一 12.7sq採用モデルであり、それぞれ特徴が異なっています。
価格的には、DCK KDPB1718が若干コストパフォーマンスに優れているところもありますが、バッテリー同梱セットがバッテリー1つしかないため、予備バッテリーを購入する必要がある点には注意が必要と言えそうです。
インパクトレンチの比較表を TOOLNARY で見る惜しと思う部分はあるが、実力派の充電式インパクトレンチ
今回、KDPB1718の実機に触れてDCK 40V MAXシリーズに触れてみたわけですが、実際に触ってみると国内有力ブランドやボッシュ・ミルウォーキーにも劣らない充電式インパクトレンチだと思う部分がありました。
インパクトレンチの性能的な面で言うなら、十分な打撃力があり、作業で困ることはまずないと思われます。
トルク表示機能に関しては、正直なところ精度的には眉唾なイメージも持っていたのですが、実際に見てみると「意外と精度は高そうにも見えるな…」と思う部分もあります。この辺りは、時間に余裕が出てきたら大きめのトルクレンチを買って、実際にトルク測定を行って検証できればいいなと思っています。
トルク表示機能が目立ってしまうKDPB1718ですが、最も評価したいポイントこそ、振動低減技術ではないでしょうか。
このクラスのインパクトレンチは打撃時の衝撃がすさまじく、ボルト締結作業を大量に行う場合にはちょっと厚手の手袋をつけるようにしているのですが、今回、分解した通りトリガー部で振動を分離する構造になっているので、疲労感は相当低減されているのではないかと思います。
とは言え、残念に思う部分もあり、LED点灯を操作できない点やフックが付属していない点、あとは懸念点となりますが、この手の振動モノに搭載しているLCDパネルはすぐ表示がおかしくなってしまうイメージが強いので、耐久性がどこまであるかでしょうか。
DCK 40V MAXシリーズは展開が始まって間もないため、シリーズラインナップとしては不足感もありますが、充電式インパクトレンチの性能としては十分と言える性能を持っていることは間違いなさそうです。DCK 20Vを充電できる充電器も付属しているので、1500N・mクラスのインパクトレンチを探しているなら、候補に加えても良いと言える一品です。
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